2020-09-14

未練タラタラたらこスパゲッティ

昔付き合っていた男のことが大好きだった。

この人のことが好きだと思った人は今までに何人かいたけど、これほどに好きだった人はその人しかいなかった。

大人になってから好きになった人がその人が初めてで、現時点で最後の人から、単純に執着を抱いているのかもしれない。

性的行為を、その人と初めてして、そしてそれが未完全のまま捨てられたから余計に執着を抱いているのかもしれない。

単純に、お互いの至らなさ、そもそも人間性の違い、心のすれ違いで振られた、どこにでもあるありふれた話だとわかってる。

わかっているのに、心に開いた穴がずっと埋められなくて、ずっとあなたを求めて、ずっと会いたくて、昔のように話してほしいってずっと思い続けてる。

もう何年も経ったのに。

本当のことを言うと、別れてから1ヶ月はずっと悲しくて泣いていた。眠れない日と食べられない日は1週間続いた。1年間は毎日夜に1人で泣いていた。

こんなに泣いても、何も変わらないことくらいわかっていた。その人にとって、私は過去の女であり、そもそもそれ以下の過去の知り合いに成り下がってることもわかっていた。

本当に一度も連絡も取っていなかったけど、別れてから2年くらい経って、共通の知り合いと一緒に会う機会があった。あなたが私に悪いことをした、傷つけたと他の人に言っていることは知っていたし、会うかどうかとても悩んだが、自分の心はもうだいぶ軽くなっていると思ったため「私を傷つけたことをもう許そう、何もなかったことにしよう」と決意して会った。

結論から言うと、私のことをなんとも思っていなかった。知っていた。

どうしてこんなに傷つけて捨てるのだろう、どうしてこんなにあっけらかんとしているのだろう、と理解が追いつかなくて1年以上も苦しんだけど、会ってみてやっぱり向こうは私のことをどうとも思っていないんだな、と感じた。

それはものすごく悔しくもあったが、逆に言うと、これは友達に戻れるチャンスだと思った。元々非常に仲が良かった。私さえ全て忘れれば、また昔の関係に戻れるかもしれない。

そして、勇気を出して別れ際に小声で友達としてまた会ってくれるか、と聞いてみた。それまで能天気に話していた口調のままうん、って言ってくれることを期待した。

答えはノーだった。私が馬鹿だった。

結局、私は自分が捨てた女で嫌いな女でもう二度と関わりたくない女でしかなかった。また会えるなんて自惚れていた。

そもそも会ってどうするんだ。振られる時に言われた酷い言葉を思い出して胸に閉じ込めて作り笑顔で話をする、それの何に生産性があるんだ。

この数年の間、新しく好きになれる人はいなかった。

仕事に打ち込み、年月と共にだいぶ心は軽くなったけど、そのかわり空っぽのしょうもない女になってしまった。

無意味に歳だけ重ねて、このまままともに人のことを好きになれなかなったらどうしよう、誰からも好きになってもらえなかったらどうしようか、と思いながら毎日しょうもなく生きている。

何年も経って、深夜にこんなしょうもない長い文を書くくらいにはまだ未練があるのかもしれないな。

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