中学生の頃「生まれてこなきゃ良かったのに」と母親に言われた当時はやっぱりショックだった。
それまで暴力や暴言、人格否定の数々は多々あったけれど、存在を否定されるのは初めてだった。
目の前が真っ白になるというか、後頭部をガツンと殴られたような衝撃というか、一瞬だけ魂が抜けたような気がする。
そんなことを言った母親は泣いていた。
号泣しながら「お前が生まれてくると知っていたら産まなかった」と半狂乱になっていた。
私は泣かなかった。何も反論しなかった。
正確には何て言えばいいのか分からなかった。
ただよく分からない感情が頭をぐるぐるしていて、その後しばらくして自室に戻ると、訳も分からないままひっそりと泣いた。
でも頭の片隅で「いやお前もそこそこやぞ」「いい大人のくせに」と思った。
今では母親と縁が切れて数年経っている。
連絡先も知らない。教えてもいない。
どうでもいい。
でも、少しだけ苦しんでいてくれたらいいな、と思っていた。
心臓が止まるかと思った。
そもそも電車に全く乗らない人だったし、マスクもしていたから他人の空似なんだろうけれど。
その瞬間漠然としたしんどさを思い出した。
当時に受けていた色んなことを思い出した。
しんどかった。
毒親と縁が切れて、恨みも怒りも消え失せて、完全に呪縛から解放されていると思い込んでいた。
単に忘れているだけだった。
いつになったら解放されるんだろう。
今度見かけたら一発ぶん殴りたいな。
もしくは「お前が親だと知っていたら私も生まれてこなかったわ」と反論したい。
どうでもいいけど「子供は親を選んでくるんだねぇ」っていうほのぼの漫画もしんどくて見てられない。
来世では選べるかな。