2020-08-07

毒親呪縛から解けていたと思い込んでいた

中学生の頃「生まれてこなきゃ良かったのに」と母親に言われた当時はやっぱりショックだった。

それまで暴力暴言人格否定の数々は多々あったけれど、存在否定されるのは初めてだった。

目の前が真っ白になるというか、後頭部をガツンと殴られたような衝撃というか、一瞬だけ魂が抜けたような気がする。

 

そんなことを言った母親は泣いていた。

号泣しながら「お前が生まれてくると知っていたら産まなかった」と半狂乱になっていた。

 

私は泣かなかった。何も反論しなかった。

正確には何て言えばいいのか分からなかった。

 

ただよく分からない感情が頭をぐるぐるしていて、その後しばらくして自室に戻ると、訳も分からないままひっそりと泣いた。

でも頭の片隅で「いやお前もそこそこやぞ」「いい大人のくせに」と思った。

 

今では母親と縁が切れて数年経っている。

両親は離婚し、私は父親に着いた。

父親再婚した。父親もまた被害者だった。

 

母親がどこに住んでいるかは知らない。

連絡先も知らない。教えてもいない。

生きているか死んでいるかも分からない。

どうでもいい。

でも、少しだけ苦しんでいてくれたらいいな、と思っていた。

 

昨日の帰り道、電車の中で母親そっくり人間を目にした。

心臓が止まるかと思った。

そもそも電車に全く乗らない人だったし、マスクもしていたか他人の空似なんだろうけれど。

 

その瞬間漠然としたしんどさを思い出した。

当時に受けていた色んなことを思い出した。

しんどかった。

 

毒親と縁が切れて、恨みも怒りも消え失せて、完全に呪縛から解放されていると思い込んでいた。

単に忘れているだけだった。

 

いつになったら解放されるんだろう。

今度見かけたら一発ぶん殴りたいな。

もしくは「お前が親だと知っていたら私も生まれてこなかったわ」と反論したい。

 

どうでもいいけど「子供は親を選んでくるんだねぇ」っていうほのぼの漫画もしんどくて見てられない。

私も、きっと私の母親も、選べるなら選びたかったよ。

来世では選べるかな。

 

穏やかな気質ゆるふわ美女菜々緒似)の飼い猫がいい。

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