もう昔の話だし、自分の中で折り合いも付いていることなのだが、この経験を忘れたくないので備忘録的に書いておく。もし興味深いと思って読んでくださる方がいるなら有り難い。
以前、某フォロワーさん(仮にAさんとする)が自宅の室内写真をUPしていた。その中に写り込んでいた、遺影の中の人物に私は一目惚れしてしまったのである。まだ10代後半か、20代そこそこだろうと思われる綺麗な顔立ちの方だった。Aさんには若くして亡くなったご家族がいると聞いていたので、多分その方だったんだろう。(Aさんはよく自撮りを上げる人だったが、似ているかどうかはよく分からなかった。原型が分からないくらいのお化粧をして、加工もしっかりするタイプの人だったので)
私は顔を見ただけで人のことを好きになってしまったのと、何よりもうとっくにこの世にいない人を好きになってしまったのとで困惑した。とりあえず、遺影が写り込んでいるのに気づいたAさんが写真を消さないうちに保存して、しばらくその人の顔をぼんやり見ていた。この人と話してみたい、どんな人か知りたいと思っても、いくらその顔立ちが好みであろうと、私が好きになる前からこの方はお亡くなりになっている。そう思うと、とても妙な心持ちがした。
何だかんだで端から成就するはずのない気持ちには、自分の中だけで折り合いがついた。しかし、一般的な「片思い」のそれとはまた違った、不思議な心持ちを味わった。最初から積みみたいなものだが、悪くない経験だったと思う。(自分が面食いだということにも気づかせてくれたし)
この間画像フォルダを整理していたら件の保存した写真が出てきたので、元想い人の冥福を祈りつつ削除した。ぶっちゃけ他人から見たら気持ち悪いだけの話だろうが、あの時の自分の気持ちだけでも、ここに書き残しておきたい。