アイカツ界のアベンジャーズことアイカツオンパレード。そのトリに選ばれた曲は初代アイカツ3代目OPソングSHINING LINE*。
SHINING LINE*が流れていたシーズンはいわば「あかりジェネレーションエピソード0」。神崎美月と肩を並べる伝説的アイドルとなった星宮いちごへの憧れを胸に大空あかりがアイカツへの一歩を踏み出す姿が描かれている。
思えば、アイカツの歴史はそもそもをして「星宮いちごがアイドルとして羽ばたく物語」と「そこから派生したアイカツというシリーズ」という構成になっている。
スターズ、フレンズ、オンパレードとタイトルや次元を変え様々なアイカツが描かれていたが、それらは全て星宮いちごの物語の延長線上にあったのだ。
なんで私が今になってこんな事を言うのかといえば、私は今までアイカツシリーズの区切りは「初代(あかりジェネレーションを含む)」「スターズ」「フレンズ」「オンパレード」という4つで切り分けるのが正しいと思っていたからだ。
だが違った。
実際には「星宮いちご世代の物語」があり、「そこから派生した様々なアイドルたちの物語」があるという構成なのだ。
スターズやフレンズのアイドル達は次元こそ違えど星宮いちご世代から託されたバトンを引き継いでいる。
アイドルとは仲間だけどライバルであり、アイカツとはアイカツであるという絶対の掟は、描かれている世界が変わってもアイカツの名を冠する作品の間で脈々と受け継がれる。
その基本骨子が形成されるのは星宮いちごがアイドルの頂点へと上り詰める過程の中にある。
もしもあの時、アイドルは互いを蹴落とすものであり、アイカツとは金儲けのためのシステムであると彼女たちが決めていれば、後々のシリーズでもそのように描かれていただろう。
のちに紡がれる伝統の形成と、伝統を受け継ぐ物語、その2段構成としてアイカツシリーズを捉えた時、あかりジェネレーション以降の物語は次元の壁を越えてなお星宮いちごを追いかける物語であったといえるのではないだろうか。