嘘松。元々は盛った嘘ツイートをするツイッタラーのアイコンが高確率で「おそ松さん」であったことから生み出された単語だ。あまりにも「お粗末」な「嘘」という侮蔑の意味まで内包しており、4文字と短く語感も良い。「嘘松乙」「嘘松さん」といった派生語句としての使い勝手も素晴らしい。
この手の嘘松ツイートのアイコンはその時々の腐女子の旬ジャンルによって移り変わってきた。例えば刀剣乱舞、あるいはヒプノシスマイク。これに伴い「虚言乱舞」や「ウソノシスマイク」といった単語も生み出されたが、残念ながら何れも嘘松ほどのキャッチーさを持たなかったため直ぐに廃れていった。
この頃旬ジャンルが鬼滅の刃に移行している。アニメ化の影響であることは想像に容易く、それに対応して嘘松も「嘘柱」や「嘘の呼吸」に変化している。嘘柱という単語は短く、語感も決して悪くは無い。嘘の呼吸・常中も常に嘘を吐いている様を表すようで面白い。だが、嘘松には劣る。呼びやすさも使い勝手も意味も、歴史ある嘘松には及ばないのだ。恐らくこれらの単語も直ぐに廃れ、忘れられてしまうだろう。
嘘松レジェンドとして今も語り継がれる彼女に、最初に嘘松という単語を生み出した者に感謝を。そしていつか嘘松に匹敵するジャンルが、単語が生み出されることを切に願う。
4文字は読み仮名