5年くらい前になると思うが、大御所芸人司会の番組に、アフリカ系のルーツを持つ芸人(よく知られた人だ)が登場するのを見た。彼はアフリカ系外国人の父親と日本人の母親を持つ日本人で、一見して父親由来の外見的特徴が目立つ。
その彼が舞台に登場~本題に入る前の空白の一瞬、出し抜けに大御所芸人が「肌白くなった?」と聞いた。何の脈絡もない、ナンセンスが笑いどころであろうボケである(私に評価はできない)。それに対して芸人は「日本人にちょっと近づきましたかね?」とボケ返して応じた。会場全体の笑い声が聞こえて、その話は終わった。
これだけの掛け合いだが私は忘れられずにいる。このやり取りが意味するところは、「肌の色が黒いと日本人ではない」ということである。多くの黒~褐色の肌を持つ日本人が、このメッセージを受けてどんな気持ちになるだろうか。なによりショックだったのは、そんな言葉が当事者の口から出たことだった。本来なら差別的発言だと指摘したいが、当事者が笑わせようとして言ったのだから、笑うのが正解なんだろうか。彼はこれまでずっと、不当な扱いや環境をこのような自虐的笑いに変えることで乗り越えてきたんだろうか?「あなたも日本人だよ」と言いたいけれど、そんなこと言ったら芸人としてはたぶん迷惑だろう。そんなふうに考えていたら笑うどころか悲しくなった。
でも肉体労働しか職がなく日焼けしたキモくて金のないおっさんを見ると日本人どころか人間扱いもしないんですよねわかります
でも同じく傷ついているキモくて金のないおっさんは抱きしめないんですよね
傷ついているキモくて金のないおっさん同士で抱きしめ合えばいいですね分かります
いい加減 弱者ビジネスはやめるんだ