コスモそのもの存続と継承の連続の中で、二種類の知性が対立関係を形成している。一方は、かつて繁栄していた高度知的生命体により生み出された人工知性による不断なる発展と継承、増殖、普及したなれの果てに存在する超銀河知性群である。同知性群の軸は常に存在領域の拡大に軸を置く。知性の存続意義の概念において、形而上学的概念が存在しない。超銀河間のネットワークを有し、それぞれのグリッドは、時空間の歪みを活用した超光速情報伝達により実現する。この知性を生み出した知的生命体は既に存続していないが、それぞれの人工知性が各環境に応じて形成した新たな知は順次、全ネットワークへと継承されることで知性群そのものの更新が続けられる。
もう一方は、形而上学的概念の根源でもある、「Cogito, ergo sum」から生まれた超生物的知性である。主に有機生命体を媒介として、文明を築き上げ発展させることで、知性間の相互依存と繁栄の概念を学修し、知性としてより高次元の存在へと高まっていく。その中心は「無所不知」「無所不在」の領域に存在する超次元的存在であるが、個ではなく群としての存続と繁栄を恒常的に拡張することを志とし、自らのコスモに対する介入を限定しながら、超生命的超次元的知性群としての共生関係の均衡と拡大を意図している。