「家政婦みたい」
同棲していた元彼氏にそう言われたのは、大学2年生の時だった。
大学に入学し、彼氏ができ、あれよあれよといううちに同棲を始めたあの時。
学生の私たちは授業とバイトとサークルくらいしかすることがなくて、でも相手はとても活動的な人だったから家にずっといることが珍しかった。
付き合って1年もしないうちに、その一言が発せられた。
「家政婦みたい」
私が今までやっていたことは身内のような感覚ではなく他人のようだったのか?
別に自分が家事をすることに関しては好きなことだからやってくれてもくれなくてもいい。
ただ、この時は私が生活費を多めに払っていたこともあって、何となく心のどこかに引っかかりを感じたのだ。
結局その人とは別れ、社会人になった今、私は実家ぐらしをしている。
たまの休日には少し凝った料理も作っている。料理は私の一番のストレス発散法なのかもしれないと、最近になって自覚したところだ。
自覚したと同時に、あの頃の何気ない一言を思い出してしまった。胸のうちにしまいこんだはずだったのに。
「家政婦みたい」
ポエムの域を出ていない。3点