2017-09-27

本当にその二文は同じ意味なのか?

http://mubou.seesaa.net/s/article/453769484.html

恐らくは誰かの二番煎じになってしまうのだろうが、どうしても言いたくなってしまったので書く。

リンク先の二文、

「輸出が伸び悩む中でも、和牛が人気の牛肉や、和食ブームを反映した緑茶日本酒などは好調だ。」

「輸出が伸び悩む中でも、和食ブームを反映した日本酒緑茶和牛が人気の牛肉などは好調だ。」

これらの言っていることが互いに同じ意味なのか、それとも違う意味なのか。

悩ましい。

どちらが正解かを断ずる勇気は私にはない。

同じ意味判断する理路はリンク先で説明されているし、別段異論はないので割愛する。

違う意味判断する理路を説明しようと思う。

キー句読点ではなく、「など」の使い方にある。

まず、後者の文。

和牛」は後に続く「牛肉」に内包されるので、「など」の使い方は明確だ。

和食ブームを反映した日本酒緑茶」と、「和牛が人気の牛肉」の他にも、輸出の好調ものがある。

それは、二つ続く「和」に絡んだものなのかもしれないし、まったく違うものかもしれない。

そんな意味を読み取る以外にない。

一方、前者の文。

「など」が「和食ブーム」に内包される「緑茶日本酒」の後に来ているせいで、「など」がどこからどこまでを指すのか、いまいち判然としない。

読み取れる意味としては、少なくとも二つある。

一つは、後者の文で読み取ったような意味

もう一つは、「など」は「緑茶日本酒にのみかかっていて、「緑茶日本酒」の他にも「和食ブーム」に乗っかって輸出が伸びたものがある、という意味

もし今二つ目構造採用したならば、前者の文と後者の文は明確に、意味が違うということになる。

なぜなら、後者の文で「和食ブーム」に乗っかって輸出が伸びたのは、「日本酒緑茶」以外にないのだから

繰り返しになるが、どちらが正解かを断ずる勇気は、私にはない。

そういう意味では、日頃のことばに対する態度を改める、良い問題であるように、私は思う。

この問題に対する正誤だけを殊更に持ち上げて「教科書レベルの基礎的な読解力」が現代中高生には無い、と判断するには適さないだろうが、数あるテスト問題の中で、こういう問題が一、二問あってもいいのではないか

ことばの本質は「考える」ことにある。

私はそう信じたい。

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん