http://mubou.seesaa.net/s/article/453769484.html
恐らくは誰かの二番煎じになってしまうのだろうが、どうしても言いたくなってしまったので書く。
リンク先の二文、
これらの言っていることが互いに同じ意味なのか、それとも違う意味なのか。
悩ましい。
どちらが正解かを断ずる勇気は私にはない。
同じ意味と判断する理路はリンク先で説明されているし、別段異論はないので割愛する。
まず、後者の文。
「和牛」は後に続く「牛肉」に内包されるので、「など」の使い方は明確だ。
「和食ブームを反映した日本酒や緑茶」と、「和牛が人気の牛肉」の他にも、輸出の好調なものがある。
それは、二つ続く「和」に絡んだものなのかもしれないし、まったく違うものかもしれない。
そんな意味を読み取る以外にない。
一方、前者の文。
「など」が「和食ブーム」に内包される「緑茶や日本酒」の後に来ているせいで、「など」がどこからどこまでを指すのか、いまいち判然としない。
読み取れる意味としては、少なくとも二つある。
もう一つは、「など」は「緑茶や日本酒」にのみかかっていて、「緑茶や日本酒」の他にも「和食ブーム」に乗っかって輸出が伸びたものがある、という意味。
もし今二つ目の構造を採用したならば、前者の文と後者の文は明確に、意味が違うということになる。
なぜなら、後者の文で「和食ブーム」に乗っかって輸出が伸びたのは、「日本酒や緑茶」以外にないのだから。
繰り返しになるが、どちらが正解かを断ずる勇気は、私にはない。
そういう意味では、日頃のことばに対する態度を改める、良い問題であるように、私は思う。
この問題に対する正誤だけを殊更に持ち上げて「教科書レベルの基礎的な読解力」が現代の中高生には無い、と判断するには適さないだろうが、数あるテストの問題の中で、こういう問題が一、二問あってもいいのではないか。
ことばの本質は「考える」ことにある。
私はそう信じたい。