今回は少年ジャンプ+
最近の数話でもちょくちょく「教養」というワードが出てきたけれども、今回の話で明確に提示してきた印象。
ドマの語る「正しい教養」とアグニとの問答からして、信仰に相対するものは教養だと解釈できる。
今回出てきた映画は信仰の対象になっており、ドマの間違った行いのルーツにもなっていた。
また、本作では映画=演じているモノ=信仰といった風に解釈できる。
そして、その信仰は間違った行いを誘発させるものとして本作では描かれている。
だから、本作では行動のルーツに映画が関係している人物、何かしら演じている人物、信仰をする人物は間違いをしているってことを示しているわけだね。
何かしら演じているアグニや、映画を撮ることが目的のトガタも信仰側なので、彼らの行いはズレているってことになる。
そして、今の文明を滅ぼそうとする雪の女王(仮)の目的は映画が関係しているので、これも間違っていることを遠まわしに語っている。
まあ、ドマが今の人々に足りないものは正しい教養だと語っているのに、その「今の人々」を滅ぼそうとしている雪の女王(仮)の行いが相対しているのは当たり前といえば当たり前か。
私の深読みしすぎなだけな気もするけれども、ここに来てテーマと作中のアイテムをしっかり繋げてきたのは周到だと思った。
作品紹介で「新感覚コメディ」という割には、プロットもストーリー構成もありがち。
けれども、ところどころ挟まれるギャグやテンポは確かに個性が出ている。
「強面で誤解されがちだけど、心優しい少年」という凡庸なプロットを、ここまで個性を出して描けているのは感心した。