2016-12-03

[] #8-2「おにぎりの具」

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「……ということなんだ」

「あまり気にしたことはなかったけど、確かに不思議だ。あいつら昆布はいつも何食わぬ顔でそこに佇んでいる」

「何かあるわね」

オーマイコンブ!」

一度、弟たちが興味を持てばしめたものだ。

魔法少女の正体すら暴くような行動力を持つ弟たちにかかれば、「昆布の謎」解明は時間問題だった。


まず、頭脳派のミミセンが情報を整理、考えられる可能性を洗い出す。

今回は耳当てもつけているあたり、本気であることがうかがえる。

「もう一度、近くの店を調べなおしたほうがいいかもしれない」

兄貴が既に昆布需要については調べているぞ」

「それは事実であって、真実ではない」

「どういうこと?」

問題相対的価値なんだ。他に好きな具があるのにも関わらず、なぜ昆布が選ばれ、しかも残りがちということになるのか」

昆布需要のものではなく、問題本質のものを直接調べるのか。

ここで最終的な決定と、作戦を決めるのは弟だ。

「よし、調べてみよう。だが散らばって、じゃない。もしものことを考えて、みんなで行動するんだ」

弟の真意は俺ですら図れないことがあるが、無意味にそんな非合理なことをするわけではないことは皆知っていた。

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