「……ということなんだ」
「あまり気にしたことはなかったけど、確かに不思議だ。あいつら昆布はいつも何食わぬ顔でそこに佇んでいる」
「何かあるわね」
一度、弟たちが興味を持てばしめたものだ。
魔法少女の正体すら暴くような行動力を持つ弟たちにかかれば、「昆布の謎」解明は時間の問題だった。
まず、頭脳派のミミセンが情報を整理、考えられる可能性を洗い出す。
今回は耳当てもつけているあたり、本気であることがうかがえる。
「もう一度、近くの店を調べなおしたほうがいいかもしれない」
「どういうこと?」
「問題は相対的価値なんだ。他に好きな具があるのにも関わらず、なぜ昆布が選ばれ、しかも残りがちということになるのか」
昆布の需要そのものではなく、問題の本質そのものを直接調べるのか。
ここで最終的な決定と、作戦を決めるのは弟だ。
「よし、調べてみよう。だが散らばって、じゃない。もしものことを考えて、みんなで行動するんだ」
弟の真意は俺ですら図れないことがあるが、無意味にそんな非合理なことをするわけではないことは皆知っていた。
おにぎりの具は何が好きだろうか。 俺は梅で、弟のマスダはツナマヨだ。 兄弟だからって、好みが同じってわけではないさ。 俺たち兄弟に限ったことではなく、好みというものは千...
≪ 前 俺たちは近くの店に向かった。 ドコゾ系列のスーパーということもあり、とりあえずここを調べれば他も大体同じである。 「誰が調べにいく?」 「マスダの兄さんは先ほど調...
≪ 前 事態を把握できていない俺たちはというと、外から様子を見ているだけだった。 すると、店員が突如飛び出してきたのだから驚きである。 続いて弟が店を出てくると、開口一番...
≪ 前 事態は収束し、弟たちと合流する。 シロクロはあのままどこかに行ってしまったようだが、それを気に留める者はいない。 改めて捕まえた店員を皆で観察する。 意外にも制服...