2016-08-15

生き残りたい

夏になると思い出す話があるので書く。

小学校中学年のとき平和教育の一環で、近所の戦争体験者のおばあさんの話を聞くという授業があった。暑い暑い体育館で、静まり返って話を聞いた。

その後、クラス全員でおばあさんにお礼と感想を兼ねた手紙を書いて送ったところ、おばあさんから返事があって、それを先生がしばらく教室後ろの黒板に貼り出していた。

おばあさんの手紙最後にはこう書いてあって、とにかく今も忘れられない。

「これから戦争核戦争なのでもう助かりません。戦争はこわいですね」

これを初めて読んだとき、なんて無責任ババアだと思った。

おばあさんはもう老い先短いかもしれないけど、私達にはこれからがある、戦争のなくし方も生き残り方も教えてくれなくてただ怖いですねで終わらせるなんて、無責任ババアだと。

そして私もアラサーになって、身の回りの親しい人間がいろんな理由でどんどん死んでいくようになった。

あの時感じた子供の頃の死への得体の知れない恐怖感も、死んでもいいと思う無鉄砲若さも失って、それを見てると今はとにかく死にたくないと思う。

病気になっても、地震が来ても、日本がまた戦争をしようがしまいが、核兵器火の海に曝されても、私は絶対死にたくない。

まあそんな論理が飛躍した話は置いといても、おばあさんの言うとおり戦争が怖いだけじゃどうにもならないから、なんとかしたいと思って省庁で働いてるけど、色んな個人的感情を持ってたら混乱するばかりでまだ何にもわからない。

ただ、私が何歳になっても、絶対絶対最期まで生き残りたい。私も、親しい人も、それ以外の人もあのおばあさんも全員生き残らせたい。この思いだけはどこかで持ってたい。

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