真面目に答えず、出来る限り嘘と虚構を織り交ぜて答えていきたい。
キッチンペーパーってあるだろう?
あれは、当初はもっと多目的な用途で使うものとして売り出していたんだ。
だが、売れ行きが芳しくなかった。
そこで、揚げ物の下に敷いて油を吸い取るモノとして売り出してみたところ、キッチンペーパーそのものは何も変わっていないのに売れ行きがよくなったんだ。
もちろん今となっては当初のコンセプト通り多目的に使われることも増えたが、その時のことがなければキッチンペーパーそのものが市場から消えてなくなっていたかもしれないな。
つまり「分かりやすく」とは、「テーマや主張を絞り、シンプルにする」ということだ。
君がその記事の中で主張したい部分に絞って、枝葉は可能な限りなくし、簡単な言葉や概念に置き換えて書いてみるといい。
漏れなく、アレもコレもと書こうとすると、かえって本旨から遠ざかる。
そういう文章は受け手に「何を主張したいのかよく分からない」と思われる可能性が高い。
よほどうまく出来る自信があるか、開き直れる度胸があるなら話は別だが。
まあ、シンプルになったものは書き手にとって不十分なことだろう。
どんな文章であれ、それが書き手の想定している読まれ方、解釈をしてもらえるとは限らない。
理想の読者は存在しないということだが、多くの人から意図しない読まれ方を避けるように努めることは可能だ。