寿命がある限り人は同じ過ちを繰り返す。
産まれた赤子には挫折も成功体験も失敗も希望も絶望も諦めも悟りも何もない。
世代交代を繰り返すたびに人ひとりが獲得してきた体験という超貴重過ぎる膨大なデータは失われて次世代へと移る。
エジプトの壁画に書かれていた今どきの若い者はもそういうことだろう。
文字という唯一引継ぎできる文化を形成したおかげで目覚ましい科学技術の発達が実現できたが、
人間個人の持つ膨大な量の体験という情報は未だに移譲されることはなく遺伝子という原始時代からの儀式じみた継承だけが継続されている。
人類は寿命がある限り決して成長もしないし完成することもない不完全な生物であり、恐竜の次の失敗作であったと私はここに断言する。