配られたカードで勝負するしかないというのだけど、何に勝てばいいのだろう。
自分が通う頭の悪い大学の最も偏差値が低い学部にとてつもないブスがいる。ブスというと曖昧だから容姿が醜いと言おう。
接続された女のヒロインの醜女とおんなじくらい醜い。この醜女は化粧をしているということが、醜女の周り 半径1メートル以内に入るとと分かるがこんなもの焼け石に水だし、美容外科医も匙を投げるだろう。
この女は容姿が醜いがあまり孤独だ。授業は一人ぼっちだ。しゃべり方も気持ち悪い。声が低い。汚い。
この醜女がミスキャンのファイナリストに選ばれた天使みたいな文学部の女の子に何が勝てるのか。
何を勝負すればいいのか。
潰した蚊の数か。それとも孤独に耐えた回数だろうか。そうでなかったら、スカートを履かなかった回数か。
配られたカードで勝負するしかないというけれど、勝負なんか最初からないのだ。
用意してくれない。
なにもない。
天使は生きているプロセスの中で容姿のおかげで自分に自信を持つし、他人からも応援されるだろう。
ただ、あの醜女はずっと醜女を引きずるだろうし、何をやってもあの天使みたいな顔の女とは違うのだ。
勝負があって、あの天使から、美人のカードを引き抜いて自分が天使になれるチャンスがあるのなら、あの醜女だって自分だって救われただろう。
しかし、ないのだ。ないからどうにもならない。どうすればいいのか、自分はわからない。醜女もわかっていないだろう。