両足を180°開き、胸板をペタリと床につけられるのだ。
思春期。当然仲間うちでは、
と囁かれていた。
しかし誰も彼に「お前セルフフェラできるよな?」とは尋ねられない。若気が至っていても、精子脳でも、女子にパンツの色を聞く助兵衛でも聞けない。
180°床ぺたセルフフェラ君は、超がつくほどの真面目青年だったからだ。
高校受験時は渋幕のA推薦と開成に合格し、のちに東大へ進学する。あぁ、これ特定されるかも分からん。
そんな新体操セルフフェラ君は下ネタなど言わない。周りも変な気を遣って、エッチな話は避けていた。
本当にセルフフェラができるのか、できるとしたらどんな気持ちなのか、中坊の頃に聞いておくべきであった。
もし尋ねていたら、人間関係に多少の軋轢は生まれたかもしれない。
しかし大人になった今、「ねぇねぇセルフフェラできるのぉ?」と聞くよりかは数段マシというか、そんな質問できねぇよ。
おれのこと書くなよ〜