社会不適合者である僕は幸運にも社会人として年収500万を得るに至ったが、独身だ。つまり、僕の死を悲しむ配偶者がいないということである。
僕の遺伝子を半分だろうと残す価値はないので、僕が死ねば家系が絶える。先祖代々の面汚しである。
しかし、僕は生きたくない。無益に生産性の低い仕事に従事して得られている年収500万は、僕の所有物であるが僕には高すぎる金銭であり、高過ぎるがゆえに無価値である。
僕はこの社会に生きていてよかったと思えることが何もない。早く死にたい。自殺する度胸はないから、救いようのない事故、抗いようのない疾病、生のやり場のない天災などで殺してほしい。2㌧トラックで僕を粉々に吹き飛ばしてほしい。未分化のガンで無駄な放射線治療をして萎れに萎れてほしい。富士山が噴火して巨大な地割れが起きて無慈悲に飲み込んでほしい。
そして僕を産んだ両親、僕が生きて迷惑をかけ続けている両親には、肩の荷をすっかり下ろしてもらい、ひっそりと葬式してほしい。そして僕の死を受け止めて最後まで末永く幸せに生きてほしい。