2015-05-04

スポーツ素人の「攻撃信仰

昨日のメイウェザーパッキャオ戦もそうだったが、何故か素人は「攻撃的」な試合を異常に評価する。

パンチを避ければ「逃げ」、KO決着でなければ「凡戦」。

彼らに言わせれば「パッキャオは手数が多く攻撃的だったから勝ちだ」ということで、

超絶技巧で相手の攻撃をかわしカウンターを決めるよりも、突進して空振るほうが勝利に値するらしい。

パンチを当てなくてもいいなんて、シャドーボクシングでも見たいのだろうか?

ちなみにスタッツを見ると手数でもメイウェザーの方がパッキャオを上回っていたという。

サッカー界においては、試合に負けるたびに「相手はアンチフットボールをした」と言い訳する、シャビさんという選手が有名だ。

彼が所属するFCバルセロナは、「攻撃的」で、かつ勝ち続けるスタイル確立した。

バルセロナ戦術こそが真のフットボールであり、守備的な戦術アンチフットボールである」と高らかに宣言した。

しかしそれによって現れたのは、バルセロナが延々と一方的攻撃を続けるだけの、実に退屈な試合だった。

バルセロナの高い技術、徹底した戦術は確かに素晴らしい。

だが果たしてそれはすべてのサッカーファンが望むものだっただろうか?

野球で言うなら、ホームランが飛び交う乱打戦と、息が詰まるような投手戦と、どちらが良いかということになるだろうか。

まぁ、好きなチームがホームラン連発で圧勝するのはそれはそれで気持ちの良いものだ。

だが客観的に見たときに、野球試合として面白いのは、断然、投手戦のほうだろう。

そもそも、大量点を取り合うような試合は、「名試合」ではなく「馬鹿試合」と言われるものである

優秀な選手同士がミスなく戦えば、戦況は膠着するのが普通なのだ。

その均衡が崩れるのは、互いの戦力に格段に差があったからか、あるいは互いに駄目だったからでしかない。

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん