http://anond.hatelabo.jp/20150316202411
島で暮らし始めて8年ぐらい経ったある日。
誰とも喋らないし、漁して食って寝るの繰り返しの生活で、すっかり言葉というものを忘れちゃった頃。
夜中に目が覚めたら干潮で1kmぐらい離れた隣の島と陸続きになっていて。
その島での生活にも飽き飽きしてたし、引っ越しでもするかと軽い気持ちで隣島まで渡ってみたら。
女が暮らしてた。半裸で。一人で。
ナイフ持って、こっちを威嚇してくる。
うーうーって唸ってくる。
やべえ、こいつも俺と同じ人種じゃん、と。
世を捨てて無人島で暮らし始めて、長いこと喋ってないから言葉を忘れちゃったんだな、と。
で、着てた服を全部脱いで見せた。
向こう半裸だし、こっちも半裸にならないと失礼かなと。
服って呼んでいいのかわからないほどにボロボロになったディッキーズの茶色のつなぎを脱いで、
手を広げてにっこり笑いかけた。
片方はナイフ持ってうーうー威嚇してて。
もう片方はにっこり笑ってる。
なんか凄くシュール。
5年後。
人が疲れ果てて全てを捨てたくなった時に、
今の日本人に必要なのは生活保護でもベーシックインカムでもなく、無人島。
真剣にそう思う。