2015-03-17

昔、無人島暮らしてた

http://anond.hatelabo.jp/20150316202411

俺も昔、無人島暮らしていた時があった。

30代半ば過ぎて仕事やらかして、全てを捨てたくて。

 

島で暮らし始めて8年ぐらい経ったある日。

誰とも喋らないし、漁して食って寝るの繰り返しの生活で、すっかり言葉というものを忘れちゃった頃。

 

夜中に目が覚めたら干潮で1kmぐらい離れた隣の島と陸続きになっていて。

その島での生活にも飽き飽きしてたし、引っ越しでもするかと軽い気持ちで隣島まで渡ってみたら。

 

女が暮らしてた。半裸で。一人で。

ナイフ持って、こっちを威嚇してくる。

うーうーって唸ってくる。

 

やべえ、こいつも俺と同じ人種じゃん、と。

世を捨てて無人島暮らし始めて、長いこと喋ってないから言葉を忘れちゃったんだな、と。

 

で、着てた服を全部脱いで見せた。

向こう半裸だし、こっちも半裸にならないと失礼かなと。

服って呼んでいいのかわからないほどにボロボロになったディッキーズの茶色のつなぎを脱いで、

手を広げてにっこり笑いかけた。

 

無人島男と女が半裸で向き合ってて。

片方はナイフ持ってうーうー威嚇してて。

もう片方はにっこり笑ってる。

なんか凄くシュール

 

5年後。

女と、3人の子供と一緒に無人島を出て社会に復帰した。

 

人が疲れ果てて全てを捨てたくなった時に、

一時的に逃げこめる場所が無ければ命を絶つしか無い。

俺とその女には無人島っていう場所たまたま見つかった。

から今こうやって子供に囲まれ幸せに暮らす事ができてる。

 

今の日本人必要なのは生活保護でもベーシックインカムでもなく、無人島

真剣にそう思う。

 

誰もが自由に逃げ込める場所

からも干渉されず、誰から迫害されない場所

誰の目も気にせずにありのままさらけ出せる場所

 

そんな無人島的な何かが現代人には必要だ。

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