2014-09-02

父が倒れて入院し、

退院してから三ヶ月あまりが過ぎた。

余裕で三桁を越えた医療費も、高額医療費制度のおかげで何とかなった。

人生でこれほど保険制度がありがたいと思ったことはない。

父の容態の方は、いま人工呼吸器の世話になっている。

幸いと言っていいのか、寝たきりなどにはなっていないが、元看護婦だった母曰く、

この病気だと、はやければ一年で死亡、良くても五年持った人はいないそうだ。

正直なところ、そう言われてもまるで実感が無い。

現在普通に会話もでき、自分の足で歩き、車を運転している。

一年後にはいなくなっているかもしれない、と言われてもピンと来ない。

父は暴力などは全くふるわなかったが、金と女にだらしなく、自分が小さなはいつも母と喧嘩になっていた。

他所女性子どもを堕ろさせたことなどもあったらしい。

その頃は毛嫌いもしていたが、大人になるにつれ、そういった感情も消えてきた。

それでもまあ、仲が良いわけでもない。顔を合わせれば挨拶する程度だ。

だが、こういう状況になると、自分感情を持てあますようになった。

覚悟時間を与えられた自分は恵まれているのかもしれない。

だが、親の余命が一年と言われた時、自分は何をすればいいのか。

普通なら何らかの親孝行なのだろうか。

だが自分には仕事もあるし、私生活でもそこまで余裕が有るわけでもない。

結局、何も出来ないまま三ヶ月が過ぎてしまった。

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