一期では、六花にとって中二病は家族問題(父の死)という現実から自身を保護する手段としてあった。それが勇太との恋愛というリアル要素や、現実を直視させようとする姉の行動によって徐々に機能しなくなっていく。
勇太の立場は揺れ動くが、最終的には中二病をむしろ肯定・活用する方向に位置付けなおされる。生きづらい現実にフィルタをかけて相対化することで、そこに飲み込まれることなく、同化することなく、自分なりに生き抜いていくための道具として。
そういう捉え方は、中二病を恥ずべき過去として抑圧してきた勇太にとっても変化だった。かつての自分のありかたを素直に評価し、いまの六花を受容するという意味で。
そして多かれ少なかれ、人はそのようにしてこの社会を生きているのではないか、と。だからラストの「人はみな中二病」というナレーションは、普遍的なメッセージとして心を打つものだった。
しかしこのようにうまく物語として完結してしまったがゆえに、二期では六花と勇太の恋愛関係を主軸にせざるを得なかった。結果、きわめて恋愛至上主義的なストーリー展開になってしまったのが残念。
二期の六花にとっては終始「恋愛」が主で、「中二病」が従、という位置付けだったように思う。せっかく一期の最後で解放されたのに、また別の穴にはまりこんでしまった的な。
六花と勇太のぎこちない関係性は見てて微笑ましい(&死にたくなる)反面、結局すべてそこに回収されていくのか、という息苦しさを感じてしまった。新キャラの七宮も同様。