「ニセ科学」批判者として、一部の人には依然として高く評価されているらしい菊池誠氏がこんなツイートをした:
なぜ左翼はトンデモに弱いのかと残念な気分になるけど、ルイセンコの昔からそうなのよね。日本の左翼科学者は軒並みころっとルイセンコに騙された
当選、批判を受ける:「なぜ左翼はトンデモに弱いのか」? 「左翼がニセ科学に弱いのが残念なのよ。」? - Interdisciplinary。メタブでヤロビ農法の支持者が広範に及んでいたことも指摘されてる:はてなブックマーク - はてなブックマーク - 「なぜ左翼はトンデモに弱いのか」? 「左翼がニセ科学に弱いのが残念なのよ。」? - Interdisciplinaryのリンク先。
ちょうどいい(悪い)タイミングで有用微生物利活用推進議員連盟 - Togetterまとめ、はてなブックマーク - 有用微生物利活用推進議員連盟 - Togetterまとめなんてのも知られてしまった。左翼じゃないよね。
田崎晴明さんが指摘する、原発・反原発の議論に潜むヤンキー思考 - Togetterまとめも、なんか田崎氏らしくない、とブクマ(はてなブックマーク - 田崎晴明さんが指摘する、原発・反原発の議論に潜むヤンキー思考 - Togetterまとめ)で指摘されてるけど、あれは上掲の菊池誠氏のツイートに対する「強烈なアンチ・テーゼ」として捉えるべきだと思う。「ヤンキー」と「左翼」って対極に近いイメージでしょ。
でも、ここで私が言いたいのはそういうことじゃない。もっと基本的なこと。
『もうダマされないための「科学」講義』(光文社新書)冒頭の「1章 科学と科学ではないもの」で、菊池誠氏がルイセンコ学説についてどう説明しているか、見てみよう:
これと似たような話がルイセンコ事件です。ルイセンコというソビエト連邦の生物学者が1935年に、小麦の遺伝的性質を人工的に変えられるという主張をしました。これだけなら、奇妙ではあっても「学説」のひとつと言っていいのだろうと思います。
小麦の遺伝的性質を人工的に変えられるという主張
いや、これなら左翼も右翼も中道もなびくでしょう。私たちの世界では「品種改良」と言うと思いますが。
試験で「ルイセンコ学説を説明しなさい」という問題に、上の答案がでてきたら○をつける人いますか?
『もうダマされないための「科学」講義』1章って、ろくに準備しないでしゃべったのが丸分かりで、論旨が支離滅裂に近いけど、これは一番ひどい例。でも、仮に準備不足でしゃべったにしても、活字にするときにチェックしませんかね?
そして、仮にとっさに出た説明だとして、そういうときでも「しっかり理解できていたら」こんな不十分な説明にはならないんじゃないかなあ? 「獲得形質」「ラマルキズム」などがパッと出てこない、ってどういうことなの?