正義が暴走し自分の勝手な判断で死刑を執行した警察官たちによる殺人事件。
堺市堺区の民家で昨年11月、装備を含め約100キロの重さの大阪府警堺署員が、暴れていた女性(当時40歳)の背中に正座のような格好で乗って押さえつけ、意識を失った女性が5日後に死亡していたことがわかった。死因は呼吸不全などで脳に酸素が行き届かなくなる低酸素虚血性脳症だった。府警は署員の制圧行為に行き過ぎがあったとみて、業務上過失致死容疑で書類送検する方針。
同署によると、昨年11月9日午前7時頃、同区の女性方で「女性が暴れている」と家族から110番があった。この署員が同僚らと駆けつけると、女性が物を投げたり、叫んだりしていた。
署員は約20分後、女性を玄関先の地面にうつぶせにして同僚らと手足を押さえた。女性がなおも激しく暴れたため、頭の上で両手に手錠をかけ、背中や腰を手で押さえたが、静まらず、正座のような姿勢で背中に乗ったという。
署員は女性の抵抗が弱まると、背中に押し当てた両ひざの力を緩めていたが、同7時55分頃、女性が意識を失っているのに気付き、同僚らと心臓マッサージをしながら119番。女性は14日午後に病院で死亡した。
警察官職務執行法は、異常な挙動があり、救護が必要な者の保護を義務づけている。方法は府警の内規で定められており、自殺や他人に危害を及ぼす恐れがある場合、「真にやむをえないと認められる限度で、行動を抑止するための手段をとれる」としている。
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