http://president.jp/articles/-/8136
最近は、知性のない老人男子の代名詞として「老害」と言われるようだが、キレる若者世代の私からすると、彼らはハングリー精神さえあれば全てが上手くいくと思っている精神論者に見える。なにしろ私たちの世代は、小さい頃からリストラ、倒産などあらゆることで不景気な社会だった。とにかく勉強していい学校に行き、いい会社に入り必死に働いたとしても報われないという思いが強くあった。ブラック企業に入社したときの同期はほぼ全員が身体か精神を壊しており、ものすごい罵声が飛び交い、ハングリー精神どころではなかった。先輩たちの気持ちも消沈していたし、横のつながりもすぐに切れた。
ところが、社会が貧しくなるにつれてハングリー精神などと言ってられなくなっていき、悪い意味での上昇志向すら低下してきた。特に約20年前に、特に苦もなく就職したような連中が、競争社会だなんだと言いつつ社員を養う気概を失ってしまった。グローバル化が進展する中で、ビジネスチャンスを捉えた韓国や中国に後れを取っても指を加えて見ているだけの結果になってしまった。