2012-06-21

ダウンロード処罰化は有償ものだけ対象らしい」のはなぜか

https://www.shortplug.jp/home/diaries/show/123

別にけなす訳じゃないのだけど、わけあって増田に。

なんで違法ダウンロード刑事罰対象が「有償のものだけ」か。実は、著作権法の第38条にはこうある。

公表された著作物は、営利目的とせず、かつ、聴衆又は観衆から料金(いずれの名義をもつてするかを問わず著作物提供又は提示につき受ける対価をいう。以下この条において同じ。)を受けない場合には、公に上演し、演奏し、上映し、又は口述することができる。ただし、当該上演、演奏、上映又は口述について実演家又は口述を行う者に対し報酬が支払われる場合は、この限りでない。

その他、至る所に「営利目的とする/しない」という記述があり、著作権法はかなりの部分が「営利/非営利」で区分されている。このおかげで、鼻歌を人前で歌っても侵害にならないと思われる。

これとの整合性を考えると、有償でないものまで刑事罰の対象に含めてしまうのはかなり問題のある話になってしまう。実際に無償音楽データを公開することも多いので、この点に関しては現実的な回答と考えていいはずだ。

少し軸がずれるけど、

第四十七条の七 著作物は、電子計算機による情報解析(多数の著作物その他の大量の情報から、当該情報を構成する言語、音、影像その他の要素に係る情報抽出し、比較、分類その他の統計的な解析を行うことをいう。以下この条において同じ。)を行うことを目的とする場合には、必要と認められる限度において、記録媒体への記録又は翻案(これにより創作した二次著作物の記録を含む。)を行うことができる。ただし、情報解析を行う者の用に供するために作成されたデータベース著作物については、この限りでない。

なんてのもあって、これも、営利でないものについての譲歩と考えてもいい。

というわけで、おごちゃんの怒りのはるか以前に、著作権法は「営利事業者のための法律」なのです。

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