2022-08-09

[]10試合負けなしかクラブワーストタイ9試合勝利の急失速…J2降格圏がちらつくオレオレFCに何が起こっているのか?

 オレオレFCは6日の名古屋グランパス戦に0ー4で大敗した。6月18日清水戦に負けて以降、悪い流れを断ち切れず、遂に2019年に記録したクラブワーストタイの9試合勝利となった。J1昇格4年目の今季10試合負けなしで一時は4位まで上げたチームは最早、J2降格圏もちらつく事態に。一体、ロイブル軍団に何が起こっているのか?

 3ー1ー4ー2を敷く名古屋5バックブロックを敷きながら、ボールを持てば、パスを回しながら、永井マテウス相馬森下スピードを生かしたカウンター攻撃が特徴。オレオレFCミラーゲームを敷いて、相手に対抗しようとした。だが、ロイブルイレブン試合通しての対応バラバラで、退場者も出した結果は惨敗。野牧憲広監督代行も「全てにおいて完敗だった」と振り返るのも無理はなかった。

 アクシデントも相次いだ。負傷者が続出し、更に相田満監督に加え、選手8人が新型コロナウイルス感染。その影響で前節から5人メンバーが入れ替わった。更に開始早々の5分にはGK村上が直前のCKで相手接触し頭部を負傷。脳震盪試合続行不可能となり、公式戦未出場でこの日、初めてベンチ入りした19歳GKパウロを急遽投入する事態に陥った。

 前半18分。DFシャルソン判断ミスから右サイドの対応が遅れ、MF重廣に先制弾を許すと、更に44分にはパウロが痛恨のパスミス。これを奪ったMFマテウスカストロに決められてしまった。ハーフタイムにもう一度、攻守の戦術確認したが、後半23分にはDFユン・セフォンが裏に抜け出したFW永井を倒し、一発退場。数的不利に陥ったチームはその後2失点。名古屋DF藤井が何度も攻撃参加して、フリーのままボールを出すなど、背後をつかれまくり、先制して精神的優位に立った名古屋容赦なく自陣に迫られ、相手攻撃陣にはオレオレMFDFの間で前を向かれて、何度もピンチを招き、デュエルでも勝利を許してしまった。

 ポゼッションカウンターを交互に織り交ぜながら、リズムを作るオレオレFCだが、この日の選手たちの頭には「?」が消えないまま、攻守でミスを連発。シュートも6本にとどまり、枠内は僅か「1」。Eー1選手権が行われた7月の中断期間中静岡伊東市キャンプを張ったが、攻守で意思統一が出来ず、攻撃の形やチームの武器を磨いていく上積みがほぼない状態で、試合前まで公式戦3戦勝ちなしと苦手の名古屋に攻守ともに一蹴された。

 試合後、肩を落として引き上げるイレブンサポーターからは容赦ないブーイングを浴びせ、パウロは不甲斐なさから悔し涙を流した。だが、急遽の出場とは言え、彼の好セーブ相手ミスがなければ更に失点してもおかしくなかった。

 野牧監督代行は言う。「防げるミスもありましたし、プロなので4失点した事実は受け止めてほしい」としながら「村上アクシデントで交代になって、難しい対応だったのは明らか。パウロだけの責任なのかって言ったら、全然違う。ボールホルダーへの行き方が悪く、我々も上手く伝えられないまま進んでしまった」と振り返れば、DF松岡も「パウロだけの責任じゃない。声掛けをしていれば防げた失点もあった。ボールを持たれた時にサイドボランチが追うのかFWが2度追いするのか意思統一できなかった」と顔をしかめた。

 ここまでなす術のない試合はあった。だが、10試合負けなしと好調だったチームはクラブワーストタイの9試合勝利。暫定4位まで浮上したチームは長期の低迷で、暫定13位に後退。コロナの影響で福岡戦が中止だったプレーオフ圏の18位ガンバ大阪との差は5まで縮まり自動降格圏の19位神戸との差は6と予断を許さない状況になった。野牧監督代行は「簡単ミス連続失点を繰り返している。攻撃サッカーは我々の目指しているところですけど、全体の守備意識は変えていかないといけない」と課題を口にし、次節以降のテコ入れ示唆した。

 次節からアウェイ3連戦。13日は19位のヴィッセル神戸と対戦する。敗れれば、クラブワースト更新はおろか、他会場の結果次第でいよいよJ1残留争いに巻き込まれる。更にはここから清水湘南磐田G大阪と下位チームとの直接対決も控える。コロナ陽性の相田満監督脳震盪に額に2針縫った村上の次節復帰は不透明だが、山本は「大敗は初めての経験じゃない。割り切って神戸戦に切り替えないといけない。不甲斐ない試合を続けているので、今度こそ統一して戦い勝ちたいです」と悲壮感を口にした。

 残りは13試合選手たちが迷いなく戦えるか、J1残留へチームの真価が問われる。

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