2021-09-19

コロナワクチンの接種証明書電子交付)の仕様がひどかった

表記の件について意見募集が開始された (https://www.digital.go.jp/posts/ckWVVAya) というので仕様(https://cio.go.jp/sites/default/files/uploads/documents/digital/20210917_spec_01.pdf)を見たら、なんか国のお墨付き個人情報の名簿登録補助ツールみたいな上に、証明書としては全然機能不足にしか見えず、がっかりした。


批判だけでもなんなので、自分ならこういうの作るという意見書出しといた。

案にあるような個人情報だけを含む二次元コードでは、

などの理由から有益とは思えないし、電子証明書としての信憑性も非常に疑わしいシステムしかできないように思われる。

この仕組みを活用したい立場としては、「接種者の個人情報」ではなく、「二次元コード提示した人が接種済みであること」が確認できればよいので、

 1. 接種済みの人が、マイナンバーカード申請する

 2. 申請した個人(ないし端末)毎に、APIサーバユニークIDを発行する

 3. システムの接種確認APIに2.のIDを付けたURLQRコードで表示する(IDを種として、ワンタイム識別子をアプリサーバ計算するなどの設計も考えられる)

 4. APIアクセスすると、接種証明情報として、最終接種回数と接種日のみを返す

程度の接種者向けのアプリおよびAPIサーバと、

 1. 接種者が提示したQRコードを読み込む

 2. QRコードURL偽サイトではないことを検証する(HTTPSSSL証明書確認ぐらいでも十分で、政府が発行する公式アプリとすることで信憑性担保する)

という事業者向けのアプリを開発・公開してほしい。

もっと踏み込むと、国として、接種証明として表示した国民個人情報が、民間企業において確度の非常に高い顧客名簿になりかねない、という点については、どのように考えているのかはなはだ不安を感じさせる仕様と言わざるを得ない。

(ここまで)

いま読み返していて単純に「IDを種」にするだけではダメなことに気づいた。申請時にワンタイムトークン計算用の秘密の種を共有しておいて、個人(端末)の識別IDとワンタイムトークンAPIに渡すようにする、とかが必要だった。

国民個人情報を、わざわざマイナンバーカード使って本人性を保証した上で自動読み取り可能な形でスマホの画面に表示するだけのアプリって、どこぞのeKYCの対極ネタとしては面白い面白くない)。

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