2021-04-16

思い出したり

朝に起きるのは珍しい。

なんだか今日はとても早く目覚めてしまった。起きるとベッドの隣、ぼくの脱いだジーンズの上で猫が寝ていた。

昨日もお酒を飲み過ぎた。毎日ルーティンってかんじでお酒をたらふく飲む。

昨日飲んだ友人はもう4年かそれ以上の付き合いなのだけれど、あなたと出逢ってできた友人だから話をするとあなたの事も会話に登場させたりしてしまう。それで、あなたの姿形を意識して、こうやって朝に言葉を残す事になった。

南の島のまたその離島で、貴方と居たことをよく思い出す。

大きな蟹、テトラポットダイナミックな雲とそれを反射してるオレンジか白か青い海と。夕方、ぼくらはL字のコンクリートの上で座ってた。

なんの話をしたのか、あまり覚えてないけれど、ぼくが生きていた中で多分とても美しい思い出、それも美しい思い出の中でもとびっきり、とびっきりにインパクトもある美しい思い出になってる。

隣のビーチで水着も持っていないのに適当に脱いでから浮いていた丸太に乗って足を滑らしたりしていたこととかも。

ぼくは全然文章が上手くない。言葉不自由なんだけれど、あなたはとっても分かってくれるし上手だから恥ずかしいのだけれど、あなたが教えてくれた通り、この手紙が届いたり届かなかったりすればいいと思う。

もう日は暮れて、2人でたぶん手を繋ぎながらよく知らない真っ暗な道を帰った。

オリオンビールしか島にはなくて、ぼくはビールとか全然好きに今もなれないけれど、いっぱい飲んだ気がする。

あと覚えてることは、島から本島に帰って乗ったタクシーdaoko米津玄師打上花火が流れていたこと。あの曲を聴くと、ぼくはあなたと島で夕日を見ていたことをいつも何度でも思い出せる。

ぼくは、あなたと会って次の日に行った美術館のことも思い出す。あなたと話した多くのこと、あなたは今のぼくを確かに作っていて、やっぱり全部の会話を憶えていることなんて勿論できないんだけど、今思えば…、いいえ、思ってたんだけどとても可愛らしい、可愛い人だったと思う。それから傲慢かもしれないけれど、あなた孤独孤独かいえない何か、特別秘密とか魅力みたいなのも分かってた気がしてる。

今のことを言えば、2人は会ってそしてまた別々の場所で生きているっぽいしもう会わないかも知れないし、あなたはぼくに会いたくないのかもしれないし、ぼくもわざわざ会うなんてことはきっとできないし、もう会えないかもしれないんだけれど、あなたがぼくにくれた小説の影響はかなり受けているし、新宿サブウェイで3時間か何時間かかけてすぐ読んじゃうくらい面白かった。ぼくはあまり本を読まない。読めないけれど、ぼくが生きた少ない人生の中で1番ちゃんと読んだ本だったかなと思う。

ぼくは、あなたのくれた本みたいに、あなたの話が好きだった。

ぼくはやっぱり。人が生きて一緒にいると一緒に居れなくなっちゃったりするけれど、あなた関係がどうとか関係なくお話がしたいと思ったりする。最近のぼくはお酒を飲んだり適当に人と話してるだけだけど、あなたとの話はあなたしかできない手触りがした。

からぼくはまた少し寝るかも知れない。猫が足を舐めている。

今日も多分お酒を飲む。最近の私は前よりも優しくなったと思う。あなたに前より優しくしてみたいと思う。おやすみなさい。

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