2019-01-19

バイト日記

・昨日はなんだか凄い日だった。春かな。

新人ちゃん仕事だったのだが、男性常連客の方々がめちゃめちゃ新人ちゃんに話しかけまくる。私と相棒が店番の時は死んだ目でお会計に来るお客様達が、水を得た魚のように生き生きしていらっしゃった。

新人ちゃんの為に恵方巻きを大量注文しに来たお客様もいた。

・「ごっめーん、また来ちゃった☆」

と二度目にいらした歳に新人ちゃんアピールしてた、50代位のお客様もいた。

最近毎日の様にお見えになる、若い男性お客様がいらっしゃる。そのお客様は俺何歳に見える?と新人ちゃんに聞いていたが、新人ちゃん

「えっと、27歳?」

と答えた。もっと上じゃね?と思いつつ、お箸の補充をしてたら、お客様

「えー、ショック!俺二十歳だよ」

と。すんませんファッションが老けてるからわかんなかった。二十歳って、新人ちゃんよりも年下である高校生に見える新人ちゃんの方が年上と知って、二重にショックを受けていたお客様だが、いいじゃん、合法的な年齢で。と思ったのか、熱心に新人ちゃんに話していた。

・ところが新人ちゃん

今日は話し掛けてきてくれるお客さんが沢山いて、でもそのせいか記憶が飛んじゃって、誰が誰だかわかんないんです」




アラフィフくらいの、美しいマダムから

最近見ないけどイケメン君ってまだいる?」

と聞かれたので、

「ええ、いますよ。今は夜勤専門なんです」

と答えたら、なんていうか、少女漫画のパアアアアアアって感じの効果?頭についてた芋けんぴを取って貰った的な感じの特殊効果を背負ったみたいになったお客様

イケメン君、元気にしてる?」

「元気ですよ」

「今夜は何時に来るのかしら?」

「0時です」

「あらそう、遅いのね。イケメン君によろしく言っといてね!」

と、颯爽と帰って行かれた。なんか凄い。ファンというよりか、ガチ恋

・0時頃、美しいマダムお客様が本当に再来。更に美しさが増していて、眩しかった。

芋けんぴ買ってきてって家族に言われたんで、こんな時間に来ちゃったんだけど、芋けんぴ、あるかしら!?これっくらいので、袋の上の方に吊るす為の穴が空いているやつよ」

「それでしたら、こちらでございます

あらー、そうそう、これだわ、ありがとう!」

「いえいえ」

「……。」

「……。」

「」

「」


・「……、あの、お客様イケメンさんつい先程出勤して来たんですけど、お会いになります?」

と言ったら、また少女漫画的な特殊効果が。

バックヤードに行ったら、半袖Tシャツ姿で上腕二頭筋確認をしていた、イケメン正社員氏。夏かな。

イケメンさん、ちょっといいですか?今、イケメンさんに会いに来たお客様がいらっしゃるんですけど。女性で、」

まで言ったところで、

「女の人ー!?誰誰、どこどこどこどこ!?!?!?

と、イケメン氏はバックヤードから勢いよく飛び出して行ってしまった。

「きゃああああイケメンくーーーーん!久しぶりぃ、元気してたーーーー!?

お客様黄色い声が、バックヤードまで聴こえて来た。

・何も考えずにイケメン正社員氏が来る時間とかをお客様に言ってしまったけど、迂闊だよなぁと、反省した。ストーカー的な人だったらヤバいし。

・上がり際にイケメン氏に会ったので、

「さっきはすいません。さっきのお客さん、会いたくない系の人とかじゃなかったですか?」

と言ったら、

「え、何で?大丈夫っす!あのお客さん、友達のお母さんなんで」

友達のお母さんを無邪気に信じているイケメン正社員氏、平和人生を送っていそうでなにより。

「この店給料安くってー。これじゃ結婚も出来ないっすよー、そもそも相手がいないけどー」

と、愚痴りながら検品作業をしていた、イケメン正社員だった。

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