・昨日はなんだか凄い日だった。春かな。
・新人ちゃんと仕事だったのだが、男性の常連客の方々がめちゃめちゃ新人ちゃんに話しかけまくる。私と相棒が店番の時は死んだ目でお会計に来るお客様達が、水を得た魚のように生き生きしていらっしゃった。
・「ごっめーん、また来ちゃった☆」
と二度目にいらした歳に新人ちゃんにアピールしてた、50代位のお客様もいた。
・最近毎日の様にお見えになる、若い男性のお客様がいらっしゃる。そのお客様は俺何歳に見える?と新人ちゃんに聞いていたが、新人ちゃんが
「えっと、27歳?」
と答えた。もっと上じゃね?と思いつつ、お箸の補充をしてたら、お客様は
「えー、ショック!俺二十歳だよ」
と。すんません、ファッションが老けてるからわかんなかった。二十歳って、新人ちゃんよりも年下である。高校生に見える新人ちゃんの方が年上と知って、二重にショックを受けていたお客様だが、いいじゃん、合法的な年齢で。と思ったのか、熱心に新人ちゃんに話していた。
「今日は話し掛けてきてくれるお客さんが沢山いて、でもそのせいか記憶が飛んじゃって、誰が誰だかわかんないんです」
と聞かれたので、
と答えたら、なんていうか、少女漫画のパアアアアアアって感じの効果?頭についてた芋けんぴを取って貰った的な感じの特殊効果を背負ったみたいになったお客様。
「イケメン君、元気にしてる?」
「元気ですよ」
「今夜は何時に来るのかしら?」
「0時です」
と、颯爽と帰って行かれた。なんか凄い。ファンというよりか、ガチ恋。
・0時頃、美しいマダムなお客様が本当に再来。更に美しさが増していて、眩しかった。
「芋けんぴ買ってきてって家族に言われたんで、こんな時間に来ちゃったんだけど、芋けんぴ、あるかしら!?これっくらいので、袋の上の方に吊るす為の穴が空いているやつよ」
「いえいえ」
「……。」
「……。」
「」
「」
・「……、あの、お客様、イケメンさんつい先程出勤して来たんですけど、お会いになります?」
・バックヤードに行ったら、半袖Tシャツ姿で上腕二頭筋の確認をしていた、イケメン正社員氏。夏かな。
「イケメンさん、ちょっといいですか?今、イケメンさんに会いに来たお客様がいらっしゃるんですけど。女性で、」
まで言ったところで、
と、イケメン氏はバックヤードから勢いよく飛び出して行ってしまった。
「きゃああああイケメンくーーーーん!久しぶりぃ、元気してたーーーー!?」
・何も考えずにイケメン正社員氏が来る時間とかをお客様に言ってしまったけど、迂闊だよなぁと、反省した。ストーカー的な人だったらヤバいし。
・上がり際にイケメン氏に会ったので、
「さっきはすいません。さっきのお客さん、会いたくない系の人とかじゃなかったですか?」
と言ったら、
「え、何で?大丈夫っす!あのお客さん、友達のお母さんなんで」
友達のお母さんを無邪気に信じているイケメン正社員氏、平和な人生を送っていそうでなにより。