2015-04-12

努力 → 敗北 → 妥協 → 勝利

高校の時に仲の良かった友人は、受験の際に東京の有名私立大学一本に絞る、と言った。

なぜその大学なのか聞くと、憧れている文化人が何人も卒業しているからだと言う。

彼はその大学過去問だけを解き続け、受験に臨んだ。

結果は不合格だった。

翌年、予備校に通う彼に話を聞くと、またその私立大学一本に絞って受験すると言う。

さすがに不安に思った私は、他大学を滑り止めとして受けたり、場合によっては第二志望の学校に入ることも考えた方が良いのでは、と説得した。

だが友人の決意は固く、再び第一志望校のみで受験をし、不合格となった。

翌年、彼はフリーターとなって地元で数年働いた後、東京へ行った。

その時以降連絡が取れなくなり、今どうしているのかはわからない。

大学の時に仲の良かった友人は、株のデイトレーダーとなり生活することを夢見ていた。

経済学部だった彼の部屋には、経済学の専門書や株取引の本が並び、とても熱心に独学しているようだった。

部活サークルに入っていなかった彼は、アルバイトで株の資本金を貯めることに熱中した。

株の資本金は大きいに越したことはないという。旅行を断り、食費を削った。

株取引用の口座を作った時、いつになく自信に満ちていた。

数カ月後、口座のお金が底をつき、彼は株取引をやめた。

大学卒業後、地元に戻った彼は、トヨタ関連の工場就職したらしい。

電話をかけても繋がらなくなり、いつの間にか電話番号が変わっていた。

少年マンガお約束として「友情努力・勝利」という言葉がある。

仲間をつくり、努力をすることで勝利する、という物語の鉄則だそうだ。

確かに昔読んだ少年マンガも、こういう流れのストーリーだった気がする。

こうした少年マンガのせいというわけではないだろうが、「努力は必ず報われる」という思いを強く持ちすぎて、妥協できないことで損をしている人がいるように思う。

成功した者はすべからく努力している、それはそうだと思う。

努力価値のものに疑いを持っているわけではない。

自分自分成功ストーリー固定化し過ぎて、人生ドリフトできない状態にするの良くないんじゃないか、ということだ。

努力 → 敗北 → 妥協 → 勝利」といった、格好はつかないかもしれないが柔軟な物語を用意しても良いのではないか。

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    • 出発点が違うとか制約条件がある以上枠は決まってるとか思いつかない盲目的公正世界信念論者は口を開けば開くほどクソバカさがバレルな

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