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はてなキーワード: 光速とは

2023-12-14

光速って地球サイズで決まったメートルを捨てても地球の自転で決まった秒を使っちゃうわけで

完全に宇宙普遍的ルールから導くことできるのかなあ

2023-12-09

anond:20231209002341

ええ、何度でも説明いたしますぞ、拙者、出身は地下10光年にある虚数空間でありますゆえ、地どころか国という概念すらない所から湧いてでたエーテル体なのであります

あなた方とは次元が違いますゆえ、なかなか普通価値観の方が一聴して理解できるものではございませぬ

詳しく識りたいのであればこれより新書10冊分程度の概論を超光速で頭に叩き込んでさしあげることも出来るのでございまするが、いかが致しましょうぞ?

物理的な方法心理的方法、お好きな方をお選びいただいて構いませぬぞ

2023-11-09

自転車ライト

光速で点滅するタイプにしてるやつはマジで4んだほうがいいよ

いや、マジで騙されたと思って一度4んでみよ?

人生わっちゃうと思うから試しに、試しに一回!

2023-11-08

anond:20231108215246

色じゃなくて音で考えたらどうか。

 

ある音を聞いたときにAさんには聞こえてBさんには聞こえない場合がある。

これは、

 

①音量に対する感度、すなわち聴力が異なる場合→耳が悪いBさんには聴こえない

②感知できる振動数の幅すなわち聴こえる音の高さの幅が異なる場合→例えばモスキート音みたいに高い音は高齢者のBさんには認識できない

 

のようなパターンがあって、同じ音でも認識個人差がある。

 

音が空気振動する波であるのに対して、光は電磁波という波で波長(=光速/振動数)で色が決まるが、その色の認識には同様に個人差があると考えられる。

なので、健常者同士が同じ赤色を見ていても認識は異なる可能性が十分にある。例えば、解像度にも個人差があるだろうから

RGB=(255,0,0)とRGB=(254,0,0)で「はっきり違う」と認識する人もいれば「同じである」と認識する人もいると思う。

男に多い色覚障碍者(ある閾値を超えた個人差を持つ人)の場合、赤と緑が同じに見えたりするというので、人によって見え方が異なるのはごくごく自然なことと考えるのが妥当であると思う。

 

エビデンスとなる論文でも示せればよいのだが専門ではないので詳しくは有識者トラバを待ちたい。あくまで一つの意見として参考まで。

anond:20231108124112

光速航法とか通信法が出てくるSFは下に見てます

それできちゃう因果律壊れてなんでもアリになっちゃうんで

2023-11-06

「三体」が好きだった人にオススメしたいSF小説・後編

オラフ・ステープルドン

最後にして最初人類現代人類から数えて第18番目の人類進化描写する奇書で、巨大な脳みそだけの存在になったり、知性を退化させてトドアザラシみたいになってしまったりと、何億年にも及ぶ人類歴史が豊かな空想力で描かれる。プロットキャラクターは極めて希薄で、現代作家がこんな作品を書いて売れることは考えにくいのだけれど(ほぼ設定資料に近いかも)、個人的にはお気に入りと言うか性癖に近い魅力を感じる。

スターメイカーはそれをさらに発展させたもので、時間空間を越えて精神銀河を飛び回り、エキセントリックエイリアンの生態の設定を惜しげもなく披露しつつ、それが銀河歴史にどのような影響を与えたかを語る。そして、この宇宙創造した存在意図を探求する旅をする。光速限界があるため、その旅やエイリアン同士の交流テレパシーで行われるという設定はSFとしては苦しいが、宇宙創造目的たる究極の歓喜の瞬間を目指すヴィジョンは美しい。残念ながら、その瞬間までには人類はとっくに滅亡していることが示唆されるんだけどね。冷えて寿命を迎えつつある宇宙必死に命をつなごうとする生命描写は壮絶。

チャールズ・ストロス

「アッチェレランド指数関数的に発展するAI10年ごとに描いた小説で、タイトル通り加速のスピードがとんでもない。最初21世紀現実世界と地続きなんだけど、21世紀半ばには進歩しすぎたAI地球解体してダイソン球を作り始め、その過程地球のすべての化石だとか地質だとかをアーカイブ化しはじめる。人類暴走するAIを止められなくて太陽系辺境に追いやられていく。その途中でエイリアンともコンタクトを取る。

これはとある一族の三代にわたる因縁話でもある。最初世代では夫がAI特異点信奉主義者コピーレフト大賛成、妻がガチガチ保守主義著作権かに厳しく、しかSMプレイ女王様だ。2代目は妻が夫を無理やり犯すことで妊娠した子どもだという、ドロドロの設定。

酉島伝法

皆勤の徒」は遠い未来地球で、地球生命体に奴隷として使役されるコピー人間の苦悩を描いている。この短篇集は優れた言語感覚日本語漢字表記とルビの可能性を拡張した造語であふれており(というか酉島伝法作品はだいたいそう)、異文化に触れたときの驚きや、似ているけれども少し違う文化に対する戸惑いが感じられる。ただし、かなり読解に力を要するので、場合によってはネタバレ覚悟世界観を通常のSF用語説明した巻末の大森望解説を先に読んでもいいのかもしれない。

「宿借りの星」とある惑星地球人類との宇宙戦争に勝利した昆虫生命弥次喜多道中記で、舞台固有名詞こそ異質だがストーリーのものは非常に読みやすくなっている。まったく異質なものを作り出すことにかけてはこの作家は他の追随を許していない。そして、滅ぼしたはずの人類がどこかに生き残っているのでは? という疑惑から物語は不穏になっていく。

野尻抱介

こちらで述べた通り。太陽簒奪者」はいいぞ。

天文部だった主人公宇宙に出ていくという意味でもすごく夢がある。

スティーブン・バクスター

まずは前述したH・G・ウエルズの「タイム・マシン」の遺族公認続編タイムシップ面白い。前作で行方不明になってしまったヒロインを救うために、再び未来に旅立ったはずが、なぜか前回とは似ても似つかない未来にたどり着いてしまう。

時間旅行のたびに歴史改編がなされ、パラレルワールドが生成されてしまうとしたら、主人公はどうやってヒロインと再会するのか? いっそ歴史を改変してしまってもいいのか? さまざまなジレンマに悩まされる冒険小説だ。

また、この著者は時間無限大という作品も書いている。これは宇宙最強の種族ジーリーを扱ったジーリークロニクルの一編だ。作中世界では、人類クワックスというエイリアン支配を受けており、それに対抗する手段を知っているという「ウィグナーの友人」という、とある思考実験にちなんだ名前を持つ謎の団体が暗躍する。主人公父親との(正確にはその再現人格との)屈折した関係に悩んでいる。作中に出てくるタイムマシンは、少なくとも現代物理学とは矛盾しないらしい。ちょうど90年代の「ニュートン」で紹介されていた。

で、確かこの作品だったと思うんだけれど、人類クワックスもジーリーという宇宙最古・最強の種族テクノロジーおこぼれで生活してるんだけど、そのジーリーでさえ恐れている存在がいる……というのがこのシリーズの基本設定。

なお、同一世界観の短編集がプランクゼロ」「真空ダイヤグラムにまとめられていることを最近知った。それに、長編結構邦訳がある。未読だけど気になる。

林譲治

短編ウロボロス波動高校生時代に読んですごく好きだった。実際にかなりありそうな宇宙探査が描かれていたからだ。太陽系侵入してきた小型ブラックホール捕獲して天王星を周回する軌道に乗せるという設定と、作中の謎解きがすごく魅力的だった。

ただ、なぜかそれ以降のストリンガー沈黙」「ファントマは哭く」が読めなかった。キャラクターの会話や背景となる政治の設定がかなり説明的で、ぎこちなく感じられたからだ。読むのに気合がいる本は、持っていてもあえて図書館で借りることで、期限を決めるという強硬策があるが、まだ試していない。

春暮康一

オーラリーメイカー」「法治の獣」。とにかく事前情報なしで読んでほしい。日本ファーストコンタクトもの第一線に立っている。とにかく奇抜なエイリアンが出てくるし、どうやら知的生命体の連合らしきもの確立されていく歴史の一部らしいのだが、この「オーラリーメイカー」という宇宙人の種族の作り上げたシステムは、素晴らしく絵になる。

H・P・ラブクラフト

おなじみクトゥルフ神話創始者の一人。前にも書いたけど、ラブクラフト作品知識欲に負けて禁断の知識に触れて発狂するか未知の存在拉致されるかするオチばっかりなんだけれど、人類宇宙の中では取るに足りない存在なんだという絶望感が僕は好き。

SFを紹介するのが趣旨なのでエイリアン地球外の神々や人類以前の種族)の歴史の壮大さを感じさせてくれるのをピックアップすると、南極探検発見した人類以前の知的種族を扱う狂気山脈にて」や、異種族図書館幽閉される時間からの影」だ。侵略ものとしては宇宙からの色」かな。ニコラス・ケイジがこれを原作した映画で主演を務めていたはず。

ダンセイニ風のファンタジー作品も好きだ。読みやすいとは言えないが、ラブクラフト全集を読んでほしい。というかアザトースの設定が好きすぎる。元ネタのマアナ・ユウド・スウシャイそのままだとしてもね。

ピーターワッツ

ブラインドサイトについてはこちらに書いたので、「6600万年革命について。巨大小惑星の中で暮らす人類と、それを管理するAI物語だ。彼らは銀河系にワームホールネットワークを作る旅路に出ているのだが、もはや地球文明が存続しているかどうかも定かではない。すでに正気を失いそうな時間が経過しているが、使命をひたすらこなしている。

管理AI人間の知能を越えないようにギリギリ調整を受けている。そのことから「チンプ」つまりチンパンジーあだ名がつけられている。とはいえ地球時間で6600万年が経過していると、「もしかしてシンギュラリティ迎えたんじゃない?」みたいな出来事があり、人間AIに対してレジスタンスというか隠蔽工作をする。バイタルを始め何から何まで知られている人類は、AIに対して何ができる?

少し条件がずれるので乗せなかった作品

アシモフの例えば銀河帝国の興亡」なんかはシリーズが進むと鋼鉄都市「はだかの太陽などのロボットシリーズクロスオーバーして行って、確かにアシモフが発表順に読んだほうがわかりやすくなるんだけど、さすがに全部読む前提で書くのはちょっとしんどかった。個人的にはアシモフ黒後家蜘蛛の会というおっさん萌え短編ミステリおすすめ英米文学地理に関する雑学が無いとわからないところもあるけど、口の悪い仲良しなおっさんの同士のじゃれあいを読んでなごんでください。

堀晃の「太陽系から3光日の距離発見された、銀河面を垂直に貫く直径1200キロ全長5380光年に及ぶレーザー光束」が出てくるバビロニアウェーブハードだなって思ったんだけど、どういう話か思い出せなかったので省いた。まずは太陽風交点」かな?

あと、SFじゃないんだけどマン・アフター・マンあたりも未読だったのでリストに入れなかった。人類グロテスク進化という意味では、上記条件は満たしていたと思う。フューチャー・イズ・ワイルドは読んだ。

ダン・シモンズのハイペリオン四部SF全部乗せだし、AIの反乱だとか人類進化した宇宙の蛮族だとか愛が宇宙を救うとかとにかく壮大なんだけど、とある場所増田では評判の悪い(?)夏への扉以上に男性主人公に都合のいい描写があるのが欠点。あと、それ以外の作品もっと男性に都合がよくなっていて、保守的な僕もちょっと「おや?」って感じた。でも、「三体」にどっぷりハマった人だったら好きになると思う。「三体」よりも前の90年代SFから時代背景を知ったうえで、加点法で楽しんでください。

あと、全然エイリアン宇宙SFじゃないんだけど、今注目しているのは空木春宵で、この人は東京創元社の年間傑作選やGenesisですごくいい作品を描いてる。どれもいいんだけど、たとえば地獄を縫い取る」アリスとの決別」「allo, toi, toi」に並ぶロリコンペドフィリアを扱った名作に並ぶ。

エイリアンSFも出てくるけど、世界の中心で愛を叫んだけもの」「ヒトラーの描いた薔薇ハーラン・エリスン人種差別を扱った作品も書いていて、これもいい。穏健派黒人男性テロリストに転身してしま作品はつらい。とかくエリスン絶望と怒りは若い人に読んでもらいたい。

Q. 選んだ作家日本人・欧米人男性に偏ってない?

自分が一番SFを読んでいた時期は、今と比べて女性作家が推されるずっと少なかったし、さら自分古典を好んで読んでいた。アジア作家が紹介される機会も少なく、そういう意味では感受性のみずみずしい今の若い読者がうらやましい。

後は、女性作家で今回のテーマである宇宙を扱った作品男性よりも少ない気がするのだが、よく考えてみればル・グインハイニッシュ・ユニバースがあるし、ティプトリー・ジニア「たった一つの冴えたやり方」で始まるシリーズがある。スペースオペラでは「叛逆航路のアン・レッキーもいることだし、単純に探し方が悪いのかもしれない。

最近短編ばっかりで腰を据えて長編を読んでないな。銀河系で忌み嫌われた人類の唯一の生き残りが活躍する「最終人類とか、面白そうなのがいっぱいあるので、そのうち読みたい。

というか、僕の選んだ作品の他にもっといい作品を知っている、勧めたいという方は、どんどんトラバブクマ追記していってほしい。

気が向いたらまたなんか書きたいな。まだおすすめしたいSFもあるし、池澤夏樹世界文学全集を9割読んだのでその感想も書きたいし、かなり疲れるから数ヶ月後にはなるだろうけど。

みんなでやろうぜ増田ビブリオバトル

前回

【翌朝追記あり】劉慈欣「三体」の好きなところと微妙なところについて

前編はこちら

追記

「三体」が好きだった人にオススメしたいSF小説・追補編

はみ出たのでこちらに。

2023-10-12

anond:20231012191046

真空中の光速は厳密に299792458m/sなんだぞ。小数点以下は厳密にゼロ。すごいよね。

2023-10-11

anond:20231011090018

つかう人間の方を光速に近づけることで、相対的時間の差を利用して性能を上げることはできますよね。

光の速度が一定からこれ以上は無理という思考停止してる程度ではこの先の宇宙時代についていけないですよ。

光速はもう速くならないので電子機器物理的に性能の限界がある

2023-10-02

【翌朝追記あり】劉慈欣「三体」の好きなところと微妙なところについて

ネタバレ注意!









好きなところ

たった一つの原理から出てくる結論三部作最後まで貫いている

この物語基本的原理は次の通りだ。「宇宙資源は有限であるしかしすべての文明は成長し・生き残りたい。よって、自分が生き残るためには相手を皆殺しにしていい。さもなくば相手に殺される」。そこから出てくる結論は「相手位置がわかったら即座に抹殺するのが最適解」。「相手と対等の立場に立って交渉するには、いつでも相手文明の座標を全宇宙晒す装置を作ればいい」。

これが適用されるのは地球人エイリアン・三体人だけではない。宇宙戦争ののち、孤立した地球人宇宙船同士も相互不信に陥り、突然殺し合いを始める。この原理原則例外はない。

どうしても攻撃したくなければ、相手の脅威にならないと示すため、限定された空間の中に引きこもるしかない。

絶望的な世界観

エイリアンのたった一つの水滴という兵器に、地球の最強の兵器であってもまったく歯が立たない。あるいは、エイリアンが数百年の偽りの平和ののち、地球人を何の共感もなくジェノサイドする・餓死させることを宣告する場面。主要なキャラであっても容赦なく殺してしまう命の軽さ。無意味に死んでいく人々。愛し合うカップルであっても、異なる早さの時間に引き裂かれる。この絶望感こそが本作の醍醐味だ。

さらに、地球人文明通りすがりの三体人とは別のエイリアンの作った名刺大の兵器で、三次元から二次元物理世界に落とされて再起不能になるまで破壊されるシーン、これは最も美しく壮絶な太陽系人類滅亡の場面だ。これを読むためだけに「三体」を買うだけの値打ちがある。

それだけではない、現在宇宙四次元時空で光速が有限なのも、本来は十次元光速無限だった世界が、宇宙戦争で使われた次元兵器による「堕落」の結果だと示唆される。感動的なまでの悲観主義

SF兵器なんでもあり

宇宙戦艦、超兵器エイリアンコールドスリープ、超構造体(メガストラクチャー)、ネトゲなど、絵になる風景ばかりだ。確かにSFモチーフを大量に詰め込むと粗削りになりがちなので、作品によっては一つに絞ったほうがいいと思うこともあるんだけど、これはいい

舞台中国である

これは欧米SFではほとんど見られない。中国が扱われるとしたら古代文明の謎であるとか、悪の共産主義陣営とかで出てくることが多いので、まず中国舞台であるというのが新鮮だ。始皇帝とか荊軻かい名前が出てくるだけでもうれしい。中国から見た日本文化ってのも、なかなか見られないか楽しいケンリュウも書いているけどね。あと、中国からしても日本と言えばカミカゼ忍者茶道なのね。あとは雀魂とか)。

関係ないけど、英語版ウィキペディアは概して日本よりも記事が多いし細かいことが書いてあるが、中国の歴史については日本語版のほうに一日の長があることもある。

あと、文化大革命が背景になる中国小説とか映画とかって、面白いのが多い。

宇宙の最終的な運命まで描き切る蛮勇

クラークとか小松左京とかじゃないとやらないくらいの発想がぽんぽん出てくるのが素晴らしい。

SFリアルさを求めて、技術革命とそれによる社会の変化を描くこともあるし、現実社会問題に肉薄することもある。雑食の僕はそれはそれで面白くて大好きなんだけど、定期的にSFルーツにある「人類の、そして宇宙の終局的な運命とは」「不可解なるエイリアンとの出会い」みたいなテーマ作品をどうしても読みたくなる。

微妙なところ

概して女性の扱いが悪い

第一部でエイリアン軍勢地球に呼び寄せてしまうのは人類絶望した女性科学者・葉文潔だ。「いっそ愚かな私たちを滅ぼしてくれ」と宣言してしまう。第二部ではエイリアンに対抗するために地球資源を使い放題にしていいと許可された「面壁者」羅輯が、どうすればいいかからずに、かわいいだけの理想の妻を求める(一緒に問題を考えるパートナーではない!)。さらに、第三部ではエイリアン和解した人類が、数百年の平和を経て穏やかになっており、「日本韓国アイドルのように」「女性化」していると描写される(前に「原神」のキャラとか”男らしくない”俳優とか実際に規制されてたよね)。

そして、コールドスリープから目覚めた主人公女性・程心もエイリアン文明破壊するための報復装置を、弱気から起動し損なう(これがさっき述べたエイリアンによる人類ジェノサイド宣言につながる)。

同時にコールドスリープしていた軍人は「この社会もっと雄々しくあるべきだ」という趣旨マッチョなことを述べる。2010年SFだけどこれでいいのか。このシリーズ普通に面白いと褒めていいのかオバマさん。僕はジェンダー意識がかなり保守的なほうだと自覚してるけど、これはちょっと弁護できないな(というかこれだけ女性の扱いが悪いと、作者には過去につらいことがあったのか? って心配になる ※1)。

さらに、第三部の主人公・程心は、使者として脳だけになってエイリアン文明に入り込んだ恋人・雲天明が、エイリアン文明の中枢から伝えてきた、人類文明を救うための暗号化されたメッセージを解読し損ない、これも人類滅亡の遠因となる。

まり人類の滅亡の契機は、ほぼすべて女性に起因している(いずれエイリアンに見つかっただろうけれども、直接の契機は女性)。寡聞にして、この点を検討している評論を見かけていないけれど、ググればどっかにあると思う。

三部作全部ドラマ化するとしたら、この辺テコ入れされるんじゃないかな。

※1 同じ心配をしているのが「たんぽぽ娘」のロバート・F・ヤングで、若くてかわいらしい女の子といちゃつく小説がやたらと多い一方で、「ジョナサン宇宙クジラ」では年上の女性たちや・女性上司日常的に暴力を振るわれている描写がある。成熟した女性に対する嫌悪と恐れを読み取ってしまうのは、気のせいだろうか。

被害妄想

エイリアンとの戦争に勝つためにはどうすればいいか軍人議論する中で「エイリアンに負けるかもしれないという精神的敗北者を追放する」「エイリアンシンパスパイ排除する」という結論が出てくるの、なんというか現実中国共産党の発想なんだけど、エイリアンに対してこういう態度を取るのは欧米だと冷戦時代SFが多い(この前のホーガンとかね。でもホーガンは「未来からのホットライン」が面白いよ。「シン・エヴァ」の元ネタだし)。なんというか、「三体」が悪いというより、中国政府がいまだにスパイ大作戦な冷戦世界観世界を見ているという感覚が生々しく伝わってきて幾分げんなりする。マジで共産党が「最善の防御は皆殺し」とか考えていませんよーに。さっきの女性の扱いと含めて、数十年前のSFを読んでいる気分になってしまった。

第一からエイリアンの超粒子で地球文明監視されて物理学の発展が阻害されるんだけど、これも敵のスパイに見られているという被害妄想的な感じがする。

深読みすれば、共産党監視されている国民の恐怖・心象風景なのかもしれないけどね。

ときどきトンチキ

SFってのはある程度ブラフ必要で、トンチキな場面も出てくるんだけど(それをどうやって読者に悟らせないか仮定文学であるSFテクニック)、たとえば第一部で地球文明を隅々まで監視できるだけの技術文明を、地球ナノワイヤで倒せるってのは、ちょっと無理があるんじゃないか?(追記。せめて向こうでナノテクが発展していないエクスキューズがほしいよね)

総評

人類に対して敵意を持っている宇宙の中での、人類の行く末について最後まで描き切った蛮勇がとても好き。三部作の壮大さのおかげで、隠せない欠陥にもかかわらずこの作品を気に入ってしまっている。第一部よりも第二部、第三部の順で面白くなっているのもいい。自分の中では★二つから★四つ半くらいまで評価が上がっていった。作家として器が大きくなったって感じたよ。

ラストの逃避にも似た、小さな農園を備えた小宇宙も、中国伝統的美意識神仙思想隠遁に繋がっていていい。美意識が共有できると嬉しいよね。

全体として思ったのは「これって炒飯ラーメン餃子の特盛セットじゃん」ってことだった。みんながSFと聞いて思いつくネタをがっつり取り込んでいる。読んだSFの冊数が増えると、青椒肉絲とか麻婆豆腐とか黒酢酢豚とか、燕のスープとかフカヒレかいろいろあるのがわかってくるし、全部乗せを馬鹿にしたくなる気持ちも出てくるけど、なんだかんだで小さい頃に食べた大味な全部セット無性に食べたい日もある。

読書楽しい

時々どうしても受け入れられない価値観出会うこともあるけれど、なぜそう考えるようになったのか? なぜ自分不快と感じるのか? と考えると、共感的に理解できるかもしれない。少なくとも自分価値観あぶり出される。

過去批判し、そのうえで現代をよりよくしていこうと思うが、だからといって過去を見くだしたいとは思わない。好きなところ、好きになれないところ、両方を検討するのは楽しい作業だ。

本を読んだときはたった一つの気に入った言葉があればいい。映画を観たときは一つでも好きな場面を見つけられたら良しとする。美術展に出かけたら、一枚だけでも気に入った絵があれば外に出た甲斐がある。

こうして欠点もあるけれども面白かった作品について書いてみて、「もういいや」って思ってた外伝にも、手を出したくなってきた。

それではまた。

前回

今さだらけれどセンスない認定されたSF作品を弁護したい

お昼の追記

「三体」人気すごいなあ。久しぶりにバズったよ。

以下ブコメレス

人によっては人物名前を同定できるかがハードルになりそう。

これは外国文学を読むとき鬼門で、自分三国志ゲームとか小説とかで親しんでたからなんとかなったけど、そうでないとしんどいかも。

おすすめロシア文学もなかなか読んでもらえないのもこの辺りに理由がある。

基本的にはメモしたり声に出したりしてその国の言葉リズムに慣れるのがおすすめマニアになってくるとジョンとヨハネイワンが同じ起源だとか気にし出すけど、これが通用するのはアラブ世界までだしね。

この方が好きなSFもっと知りたい。

SFじゃないのも含むけど、

必読書コピペにマジレスしてみる・自分のオススメ41冊編(1)

必読書コピペにマジレスしてみる・やっぱりオススメの21冊編 (1)

あとは、

必読書コピペにマジレスしてみる・海外文学編(1)

必読書コピペにマジレスしてみる・日本文学編

必読書コピペにマジレスしてみる・ミステリ編

必読書コピペにマジレスしてみる・哲学編

これは読書リスト

2022年に読んだ本

ではでは。

夜の追記

良くも悪くも手触りが野蛮な旧世代SFなのがむしろSFクラスタ外にもウケた理由なのかもしれないとは思う

これはちょっと思った。原初SFにある奔放な想像力、よくそんなネタ思いついたな! みたいなのがたくさんあるのが「三体」のいいところ。

で、それがモヤモヤする理由でもある。SFが洗練されてくると科学的正確さとか政治性とかを無視するわけにはいかなくなる。自分と異なった属性に対して誤った知識が広まらないよう、表現ルールがあるのは大切だと信じる一方、気持ちの面では想像力が羽ばたくのを少しも邪魔されたくない自分もいる。だから、反発する人の気持ちもわかる。

なので、正確性とかに気をつかったSFに慣れた身からすると「こんな粗削りでもウケるんだ! 売れるんだ!」という意外さと、先を越された悔しさがある。だから元増田みたいにSFの外にまで広がった作品を「センスがない」とディスりたくなるのかも。

でも、僕も最初はそういう作品から読み始めたわけだし、重箱の隅をつつくような外れ値の古参よりも、作品を買ってくれる新しいファンがどんどん増えたほうがジャンルは育っていくし、若いファンは「にわか」呼ばわりするのを恐れずどしどし読んでほしい。

思い出したこと

そういえば第三部でアボリジニおっちゃんが出てくるけど、欧米作品だったらもっと白人文化に対して批判的だっただろうし、なんだったら三体人に押さえつけられるときももっと痛烈な言葉をはかせていただろうな。より強い文明出会たことによる悲劇メタファーとしては扱いが若干雑だ。

欧米作品とのこの辺の感覚差異面白い

他に書いた文学関係増田

村上春樹のヒロイン・登場人物たちのつながり

カズオ・イシグロ大体読んだけど好きかわからなくなった

以上。

翌朝追記

おすすめの本のリスト追加したよ。

2023.10.12追記

早川書房翻訳SFファンタジイ編集部ツイッターに捕捉されてて吹いた。

2023-09-19

anond:20230918195757

ビーム普通空中すすむにつれて減衰するやろ

減衰しないモンってなるやろ

地球の裏側とかにいる遠い的にはあてられんやろ(間に地面が山や曲線ではさまるから

そしたら地表に沿ってごく正確にまげたるわいってなるやろ

ほんだら最初から最大出力で試射させたら背中にあたるんよ

光速で1/7秒も打たせたら十分やで

よく昔話であるやん 

サトリの化け物が火中でハネた栗にあたって逃げていくやつ

ほんだらバカアドバイスさせればええねん

2023-09-15

寝る前に妄想することが多いと思うけど俺の最近妄想光速で飛べるようになる妄想

光速で飛べたら田舎暮らししながら都内通勤できる

ただ光速で移動できることはバレたくないし、家を出ていきなり光速で移動したら風圧とかで周りが壊滅しちゃうからかなり上空まで近隣住民迷惑がかからないよう移動しなくちゃいけない

空を飛ぶ飛行機でも夜中だと音が聞こえるからギリギリ宇宙になるかならないかくらいまで上らなくちゃいけないか

さら都内にひっそり下りるのはより難しいと思うから千葉かにまずはおりてそこから通勤かなぁとか思ったり

なんて考えてるとすぐ寝ちゃう

2023-09-05

相対性理論理解できない

光速で移動する宇宙船地球上とで時間の進み方がそれぞれ異なる」っていうけど、いま自分が持っている腕時計をつけて光速で移動しても秒針の進み方は同じじゃないの???

相対性理論説明で「光時計がー」とかっていうけど、その光時計意味不明。よくわからないので光時計じゃなくて自分がつけてるチープカシオ腕時計説明してくれよ

2023-09-02

anond:20230902144502

空間内では光速を超えて移動することはできないんだけど、

空間のものをゆがめてしまえば、間接的に光速を超えた移動を結果として得ることができる。

空間で生真面目に光速の半分を目指すよりも、

空間をゆがめて速度を稼いだほうが、光速の半分程度は達成しやすい。

みたいな未来想像

2023-08-30

絶対空間

絶対空間はあると思うんだけどなあ。

ただニュートンが考えたような絶対空間ではなく、質量によって歪んだり、ダークエネルギーで膨張したりする。

仮に準絶対空間と呼ぶ。

空間自体物理法則が当てはまらないようなので光速を超えられるけど、その空間内にある事象は準絶対空間の座標を基準にした光速までしか出ないと考えればいい。

でもちょっとややこしい。

絶対空間の座標AからBまで1光年だとする。光がAからBに到着するまでに空間一定速度で2倍(AからBまで2光年)に膨張したらかかる時間はいかほどか?

移動しながら膨張によって距離も変わってくるので積分必要になってくる。

ニュートン絶対空間なら「空間が膨張することはない」で話が終わる。

膨張したとしても現在空間範囲の外側に新しいエリアが追加されると考えるのが正しいのかもしれない。

例えば方眼紙で10cm×10cmから四方に5cmずつ追加して20cm×20cmになる。でも元の座標は動かないのでAとBの距離も変わらない。

一方、準絶対空間だと方眼紙のマス目を2倍に広げるので座標間の距離も2倍になる。でも速度を考えた場合は元のマス目の大きさ(距離)で考える。

うん。ややこしいね

実際に観測結果から宇宙空間)は光速よりも速く膨張しているとみられている。だから地球から見て光速を超えた範囲観測できない。

その範囲では地球に向かってくる光も膨張の速度に負けて遠ざかっていくように見える(観測はできない)。

この準絶対空間があれば速度は盲目的に相対的ものではなく準絶対空間の座標を基準にした速度になる。

これで双子パラドクス解決できる!

2023-08-25

anond:20230825181028

まあへりくつとしてはこれに1票、光は遅すぎる

ただ光速のN倍でワープとかできるならめちゃくちゃ速い情報伝達手段はあってもいいんたーすてらー

anond:20230825183945

光速以上で動いてるキャラ時間を遡ってるでしょとか馬鹿な考えに取り憑かれてる奴は二度と創作読むな

anond:20230825175510

仮に通信確立できていたとしても情報光速以下でしか送れない

リモート操作していると例えば0.1秒前の映像を見て操作することになる

ビームサーベルで斬り合うような接近戦で0.1秒遅れは致命的だ

2023-08-17

スラムダンクさら読んでるんだけど

今のスポーツ漫画テンポ全然違うね

なんというかゆっくりしてる

1巻はヤンキー話が中心でバスケ試合すらない(かろうじてゴリワンオンワンはある)

最初公式試合のとこまできたけど、未だにライバルキャラ流川はろくな掘り下げがない

三井の復帰も光速で、わだかまりが解消したような描写もない

今の漫画だと多分過去話が入ったり、エピソードが追加されると思う

花道面白くて馬力のある主人公だが、女追いかけてる以上の掘り下げが特にない

驚いたのがこれでも面白いってこと

最近スポーツ漫画だと家族描かれたり悩み書かれたりするけど、こんなシンプルでもいいんやなって思わされる

でもバスケ別にやりたくならない

中学時代に読んだらやりたくなってたのかな

2023-08-06

anond:20230806120310

昔のような車が空を飛ぶ未来図がもう描けないように

放射能とか、光速の影響とか、世間常識が変わるたびに

描けるファンタジーは変わっていく

昔のほうが無茶苦茶になるのは、ある程度しゃァない

2023-08-04

バナナ危険禁止にすべき

例えばバナナが1本あるとする。

これは約100gである

このバナナ消滅するとき、E = mc^2 ものエネルギー放出される。

Eはエネルギー、mはバナナ質量100グラムなので0.1キログラム)、cは光速(約 299,792,458 メートル/秒)だ。

具体的には、E = (0.1 kg) × (299,792,458 m/s)^2 ≈ 8.99 × 10^15 ジュールとなる。

約 8.99 × 10^15 ジュール

このエネルギーは非常に膨大で、原子爆弾威力に相当する。

バナナは大変危険物質なのだ

ゆえにバナナ禁止にすべきである結論付けられる。

2023-07-25

光の速さでうんこ出すってコピペ

光の速さにはちょっと及ばないけど、

朝一でブボッと出して

おならうんこ混じって出ちゃったな。へへ。」とか思って便器の中見てみると

25cmぐらいの一本ものが出てて

「え!?あの一瞬でこの長さのもの・・・!??私の肛門から・・・!??」

って気持ちになることあるよね

ね?

 

せっかくなのでコピペ貼っておきます

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リアルな話すると多分お前の住んでる大阪が消し飛ぶ 

光速ウンコほどの質量(約200~300グラム

物体が動いたら想像を絶する衝撃波が発生する

ましてそれが地表と激突したら地球ヤバイ

お前のウンコ地球ヤバイ

さらリアルな話をすると

現在理論では物体光速に近づくにつれ質量は増加するので

射出されたウンコ光速なった瞬間に質量=∞(無限大)となる為

重力崩壊を起こし想像を絶するブラックホールが発生する

それが一瞬で太陽系飲み込み、5秒以内に銀河を飲み込むので宇宙ヤバイ

お前のウンコ宇宙ヤバイ

またウンコ側をリアル説明すると

光の速さでウンコをすると、ウンコスターボウを見る

ウンコの後方は漆黒の闇が、そしてウンコの進行方向には

全ての周囲の風景が一点にあつまるように見える

そして、ドップラー効果で七色に輝いて見える

お前のウンコ素敵

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