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2019-12-03

死後については雄弁に語る癖に誕生以前には無関心な宗教家

 宗教家はよく地獄に堕ちる(大抵その基準は我々の予想よりはるかに厳格である)!とか、この宗教を信じる者は救われる!しかし信じなければ救いはない!とかい文句で人々を脅かし、この宗教を信じるように私達に迫る。彼らは死後の世界についてはたくさんのことを喋る。曰く人は死後、各々の罪を裁かれるとか、地獄には常に業火燃え盛り亡者を焼いているとか、地獄の苦しみの期間はとてつもなく長いとか、その内容は実に悍ましい。

 さて、死後人間がどうなるか。この名状しがたき、しかし確かに存在する「私」は何を経験するのかを科学的に解明することは非常に困難であるしかし私達は実は「生でない状態」は既に経験している。そう、それは産まれる前のことだ。肉体が実在しないという点で、産まれる前と死んだ後はそっくりではないか。そう考えると、死後について想像する上で産まれる前というのは良いヒントなのかもしれない。

 しかるに、その生まれる前はどうだったのか、なぜ私は私としてこの世に生を受けたのか、という問いについて宗教家は驚くほど寡黙だ。聖書に記されている創造説はそれに当たるように思えるが、世界の始まり説明していても、増え続ける人間誕生以前にどこに居たのかは全く語られていない。強いて言えばこの問いに真摯に向き合っているのは輪廻転生を説く仏教オルフェウス教くらいのものか。ちなみに仏教によると人間に転生するのはなかなか難しいらしいから、私はこれでも前世結構徳を積んでいたようだ。

 それにしても死後と誕生以前、どちらも不思議で、我々の好奇心を刺激してやまず、そして答えるに難い問題だというのに、なぜこんなにも関心の強さが違うのだろうか。

 
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