2024-08-14

公共財ゲームの数理分析

問題: プレイヤーがn人おり、それぞれM₁, M₂, ..., Mₙ円持っている。彼らは自分以外の誰かの意思決定を見ることは出来ない。プレイヤーiは箱にXᵢ円入れる。すべてのプレイヤープレイしたあと、箱の金額がa倍になって、1/n分割されて戻ってくる。このゲーム分析しなさい。

ゲームの設定

プレイヤーの利得関数

プレイヤー i の利得は次のように表されます

利得ᵢ = Mᵢ - Xᵢ + (a × (X₁ + X₂ + ... + Xₙ)) / n

プレイヤーの最適戦略

プレイヤーは他のプレイヤー戦略が固定されていると仮定して、自分の利得を最大化するように行動します。プレイヤー i は次の問題を解きます

max Xᵢ (Mᵢ - Xᵢ + (a × (X₁ + X₂ + ... + Xₙ)) / n)

これを簡略化すると、プレイヤー i の利得は次のように書けます

利得ᵢ = Mᵢ - Xᵢ + (a × (Xᵢ + Σ Xⱼ)) / n, ただし j ≠ i

= Mᵢ + ((a / n) - 1) × Xᵢ + (a / n) × Σ Xⱼ, ただし j ≠ i

最適戦略の条件

特殊ケース: a = n

この場合、(a / n) = 1 となり、プレイヤーの利得は投入額に依存しなくなります。したがって、プレイヤーはどのような金額を投入しても利得は変わらないため、無数のナッシュ均衡存在します。

結論

このゲームは、協力が全員にとって最善であるにもかかわらず、個々の合理的選択が協力を阻む可能性がある典型的囚人のジレンマに似た構造を持っています

特に、a > n の場合は無条件で全額投資が最適ですが、それ以外のケースではプレイヤー間の信頼関係コミュニケーションの有無によって結果が大きく変わる可能性があります

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