20XX年。
キリスト本人の細胞が発見されたことから、この計画が立ち上がった。
そのような重大な計画は国が主導となって動き、キリスト復活の話はオカルトではなくもはや全国民が知っていることになっていた。
クローンとしてではあるけど…とうとう蘇る!
世界中が熱狂の渦に包まれ、その日をまだかまだかと待ちわびる。
研究は順調で、予定通りに行くはずだった。
ある一点を覗いては。
研究所
え? あっ、あーっそーーっすねぇ……でももう動いちゃってますし、大丈夫ですよ。
これはですね……あっ……ああっっ!!
ど、どうしたぁ!?
だって、これは――
当然、復活するのは一人のキリストだ。
キリストが観衆の前に現れると、怒号のような歓声が沸き上がった。
しかし次第に「え?」「え?」といった声が至る所で聞こえはじめ、原因は最初のキリストの後方。
研究所
つまり……当然一人だけのつもりだったのが、なぜか数字を間違えてしまったと……
……はい。そう…です…。
……何人できた?
はい?
す、…いっ、いち…まん…にん…です。
こうして現代には1万人のキリストが誕生し、流石にうちではさばき切れないと売り出し、捨てたり、視聴者プレゼントにするなどして何とかキリストの数を減らしていこうと努力した。