■59点の人生

試験に落ちた。

俺の会社では昇進試験を受けるためには、指定された外部試験に合格する必要がある。

それに落ちた。

これで4回目。

合格には100点満点中60点以上が必要。

1回目56点、2回目58点、3回目59点、4回目59点。

59点。

合格者のトップが100点なら、

59点は不合格者の中のトップ。

思い返せば自分の人生は何事も59点だ。

ザコAザコBザコCの中でなら、一番何でも上手にできる。

しかし、より難度の高いミッションを任されたり、リーダーに抜擢されるようなことは、決してない。

ピアノを習えば右手だけでなんとかよろよろ弾けるようになる。59点。

プログラミングを始めれば他人が1週間で組み上げる内容に2週間かかる。59点。

料理をしたら不味くもなければうまくもない。59点。

マッチングアプリを使えば3回までなら会ってもらえる。59点。

絶対に成功者側になれない。

他人の何倍も努力しても、59点止まり。

件の試験に話を戻すと、この試験は半年に一回行われる。

3回目不合格から4回目受験まで、数か月間とにかく勉強した。

なのに1点さえも点数を上げることができなかった。

もはや勉強が足りていないわけじゃない。

要領が悪いのだと思う。

だから余計に絶望的になる。

これはダメだ、またいつもの59点止まりだって。

「それはあなたが59点分の努力しかしてないからだ」と、毒にも薬にもならない言葉をしたり顔で吐き掛けてくる人がいる。

そのアドバイス、59点。

あーあ、

もうどうせなら59歳あたりで死ねないかな。

この先もどうせこんな感じなんだし、ついでに人生も59で終わっちまえよ。

ほんと、つまんねぇ。

Permalink | 記事への反応(1) | 03:12

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