不思議よな。一番嫌いだった、やる気のない人になってみたところ、メンタルの調子がすこぶるいい。
私のやる気への糧は怒りだった。嫉妬や焦り、怒り、不安などマイナスエネルギーが起爆剤になることが多かった。
やる気がない状態は異常だという思い込みから、やる気がない人は嫌いで、そういう人を見ると腹立たしい気持ちにさえなった。それは自身も対象であるので、やる気がないときは自らの存在価値が危うくなってメンブレするのだ。
ある日突然やる気がなくなった朝に、いつもだったらやる気のない自分が不安でメンタルクリニックへ駆け込んでいた所「まあいいや」とその気持のまま放置してみた。
そしたらなんか、日常がめちゃくちゃ楽で。やる気がない状態は、どうにかしなければという強迫観念からの開放に近いものがあった。
明らかに酷い悪意ある中傷ではない、本来は怒るべきでない瞬間、は?という気持ちでつい反応はしてしまうものの数秒後には無になる。お前のことはどうでもいいから。
不思議と生きるのがそんなに辛いことではなくなった。だって全てのことは今死ぬ間際の問題ではない故、どうでもいいから。
やる気がないということは気持ちに波風が立たないということで、それはめっちゃ欲していた心の平穏であった。
やる気がなくても生きていていいという肯定は案外強い。