2023-12-07

うちにはブチャラティみたいな猫がいる

俺たち夫婦の家庭は子なしだった。

妻との出会い大学で、卒業してから結婚をした。

それまでに同棲をしていなかったこともあり、実際に暮らし始めてから齟齬は少なくなかった。

結婚してからはすぐに猫を飼った。

里親として一匹を引き取ったんだ。

一匹の雄猫。

子猫だったこともあり最初はとてもやんちゃで人懐っこく、たくさん暴れた。

子はかすがい。

そんな言葉が示すように、俺と妻の結婚生活が三年続いたのはこいつのおかげだろう。

だが、三年で終わりが訪れた。三年で、俺たちの結婚生活は終わりを告げた。

誰のせいでもない。それは仕方がないことだった。

手続きも済ませ、身辺の整理も終わった後。

最後に残ったのが「猫をどうするか」という話だった。

既に借家は二人とも離れることに決めていた。

からどちらにしろ、猫もこの地を去らなければならない。

だったらせめて二人のどちらについて行くか。それぐらいは当人に決めさせてあげよう。

そういった話の流れになり、妻が猫に話しかけた。

どっちの家に行きたいのかと。

正直言って猫は妻の方に懐いていた。

妻の方が家に居る時間は長く、当然一緒に居る時間も長い。

ごはんだって、与えるのはたいてい妻の方だ。

俺の方はといえば仕事から帰ってきても上の空のまま猫の頭を少し撫でてやる程度で、自分の頭の中では未だ仕事のことばかりを考えていた。

そんなことがざらだった。

から当然、猫は妻の方に行くだろうと思っていた。

猫は俺たち二人の顔を交互に見て、それから首を垂れた。

迷いは一瞬だった。

猫は俺を見た。ゆっくり俺の方に歩み、そして俺の膝の上に乗り、前足を舐め始めた。

妻はそれを見て苦笑し、そうして俺たちは別れた。

今は家に帰ると待っているのはあいつだけだ。

だが、それでも嬉しい。

あいつは優しい猫なんだ。

  • 😾(旦那はん…あの奥さんな、あんたはんが居らんところで、ずーーっとあんたへの呪詛をワイに吹き込んでくれよったんや…ほならまだ無口なあんたはんのほうがマシやで、とおもて...

  • うちにはがいるみたいな猫ブチャラティ ブラがういテるみたいに猫はチャィなち

  • その猫がかわいいのは伝わった。 だが、ブチャラティ感はどこに感じればいいのか?

  • 昨日はやたらこの手のペラい創作が投稿された日だったな 4歳のころ家族を捨てた父への手紙、とか、もう一個なんか見かけたな

  • 画像ないやん これじゃただの既婚の強者アピールだよ

  • シンプルに、ほどほどの距離感で優しく扱ってくれる増田が気に入ってたんだろうな。実に猫っぽい。 「だが増田は...、増田のような男は...、過去をひきずりきっとダメになってしまう...

  • 猫もそんな重大な決定を迫られているだなんて微塵も思ってないだろ・・・泣ける だったらせめて二人のどちらについて行くか。それぐらいは当人に決めさせてあげよう。 そういった...

    • ネコ連れオオカミ「…このドウタヌキか、チュールか、どちらを選ぶか?」

  • 伴侶は「今から生きていける」けれども、増田は「何もない」と思ったネコちゃん。 「何かあれば生きていける」のだから、その何かになってくれたんだね。 良かったね。ネコと和解せ...

  • 子は鎹だけど猫には無理か

  • 嫁は猫を誇りに思うとともに「人の痛みをわかりすぎるこの性格が、将来この子に不幸を招くことがなければいいが」と思った

  • ブチャラティがなんなのかさっぱりわからなかった

  • 猫を残して死なないようにな もし増田が死んでしまって、取り残された猫も死ぬことになるとゾンビになって二度死ぬ羽目になる 猫がかわいそうだからな 増田は猫より長く生きないと...

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