特に乱世の世になると。
私兵を元種にして天下を得る。
そういった世の中を流れみたいなものを実感することが出来た瞬間ではあった。
もちろん、あのままクーデターが進行していたら天下を得たという意味ではないけれど。
実際に私兵が世の中を動かす事が出来るポテンシャルを目の当たりにしたし、
もしもあのハゲの大将が歴史上の偉人のような政治力を有していたなら、
政権をひっくり返すことも出来たであろう。
とにもかくにも、モスクワまでたどり着くことはそれほど難しくない、という事実が立証された。
あれを見た野心家がウクライナで臨戦態勢を整えている部隊のいくつかを掌握して、
モスクワまで突っ走る、なんてことが起こり得ないとは絶対に言えない。
その間にどんな跳ねっ返りが台頭するかなんてわかったものではない。
当然、ウクライナからの攻撃に耐え抜くことが出来た場合の話ではある。
もしも、それをやり遂げることが出来たなら、英雄が生まれるかもしれない。
ウクライナ防衛戦の立役者、みたいな軍人が登場したら求心力を生むだろう。
そこまで派手でなくとも兵隊たちの人気と信頼を得る人物が登場するかもしれない。
そんな奴が、うまく兵の不満を煽って、さあモスクワまで行こう!とか言い出せばそれは成し遂げられるだろう。
進行すればかなり容易にモスクワまで突っ切ることが出来ることがわかっているからであろう。
もちろん、それをすれば核で報復することになるのだが、
そういう展開にかなりの高確率で突入するのが目に見えているのだ。
おそらく。