路上で面識のない女性をナイフで刺したとして、殺人未遂などの罪に問われた男性被告(45)の裁判員裁判の判決が13日、東京地裁であった。浅香竜太裁判長は「統合失調症による心神喪失の状態にあった疑いがある」と述べ、無罪を言い渡した。検察側は病気の影響は限定的として、懲役6年を求刑していた。
浅香裁判長は、被告には事件以前から統合失調症による幻聴や幻視の症状があったと指摘。精神鑑定を行った医師の証言などから、「事件当時は症状が急に悪化し、ナイフで刺している対象が実在の人であると認識できなかった可能性が否定できない」と判断した。