安楽死って言うじゃない?
でもさ、動物が自分で死んでくれるわけじゃないじゃん。動物医療で安楽死なんて存在しないのよ。
そこにあるのは安楽殺。殺すのよ。獣医師がね。殺すんです。
生きているだけ辛い末期の状態で、治る見込みがなく、でもしばらく生きてしまうかもしれない状況で、飼い主が望めば安楽殺することがある。
ここまで来てしまった以上、最終段階での判断は間違っていない。苦しみから解放してあげられたと思う。
肉を食べるためには生き物を殺しているわけで、動物の犠牲の上で日々の生活を送っている。
生き物を殺すことそのものは、ゴキブリ殺したりお前らもしてると思う。その時の何とも言えない気持ちと大差ないのかもしれない。
ただね、ペットの生死には飼い主の気持ちが乗るのよ。人の想いって重いんだよ。
飼い主が愛した大事な生き物を、殺すのよ。
俺が、命を、絶つのよ。
あなたはこの子を愛していたし、適切に動物病院に連れてきて、必要な検査や治療を行ったんだから、この子も幸せだったと思うし、これで良かったんだと。これは良かったんだと、ちゃんと伝えてあげたかった。
感情を支えてあげなきゃいけなかったのに、支えきれなかった。
上手くできなかった。
こんなのは年に一度あるかないかくらいなので、また次に生かすことなんてたぶんできない。
また上手くできないのかもしれない。
自分の技量には限界があるし、医療そのものの限界もある。治せない病気はなくならない。
安楽死じゃねーよ、安楽「殺」だよ!! て、いい言い直し方だとおもったやで