広くて寒いディカプリオのおうち
ディカプリオはニートの取り巻きをいつも家に呼ぶ
おつまみやお酒を用意しながら、
片手間にクロッキーをする許可を頂く
台所の隅でお絵描きをしていると
お酒のおかわりを赤ら顔で要求するディカプリオの友人がいた
「家政婦さん!あ、奥さんか。ごめんね」
家事の傍らで英語を勉強しているが、あたまが良くないので、まだ完璧には英語は聞き取れない
しかし、どことなく蔑むような、バカにするようなイントネーションであることはかんじられる
自分の家庭内の立場や、発音や語彙に不慣れなせいで、日本人の典型的な反応である「曖昧な微笑み」しか返すことができない
しばらくすると、催したのでディカプリオに向かって挙手をする
「おトイレに行ってもいいでしょうか?」
ディカプリオは遠くでめんどくさそうに頷いた
私は暗いトイレにかけこむと、用を足しながら泣いた
私は日本には居場所がなかった
だけれど、力のないものはどこでも虐げられるものだ
アメリカにだって私の居場所はなかった
わたしにはもうどこにも帰る場所はない
もう消えてしまいたい
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