この日がいずれやってくることは分かっていた。赤松先生が自民党から出馬する日。その日が来ることは分かっていたのだ。
15年以上にわたって赤松健先生のファンをやってきた。それだけの年月、赤松先生の活動を見てきて思うのは、先生は実利主義者だということだ。
例えば、東日本大震災の時。赤松先生は絵を描いて被災地を応援するよりも寄付をすることを選んだ。その上寄付を利用して節税する方法の説明もしていた。この時に先生は非常な実利主義者であるという印象を持った。
だからその後の著作権法改悪の危機の時や今の表現規制問題にあたって、与党系の政治家たちに対するロビー活動を始めた時も特に驚きはしなかった。実利を取る人なら取る選択肢を率直に取ってきたという印象だ。
そして、そうしたロビー活動をしておきながら、マンガ家に留まり続けるのも難しいだろうと思っていた。どこかの時点で声がかかるか自分から言い出すのか、それは分からないけれどそういう話になったら立って出る義理堅さも持っているだろう。
だから、この日が来ることは分かっていたのだ。
今、先生が抱えている連載のUQ HOLDER!がもうすぐ最終回を迎える。このタイミングでの出馬の意向のニュース。
これは、今まで待ってもらったのか待っていたのか。それは分からない。
だが、こういう話になった以上、しばらくは先生の新作を読めないだろう。状況によっては、この先ずっと。
ファンとしてはそれが寂しい。