俺は"ケツソムリエ"だ。
勤めている会社の女性陣のケツを見れば、それが誰であるかを見極めることができる。
皺の寄り方、生地の張り具合から大きさ・形状等々を全て記憶し、個人と結びつけている。
約50人分を全てだ。
ただひたすらにケツしか見ない。
腰上や膝下など見ない。
「(ん!この見事な小尻はAさんだ!)」と見定めて答え合わせを繰り返す日々。
ケツソムリエは一日にしてならず。
たゆまない努力があってこそ目は鍛えられていくのだ。
そんな精進を続けていながら先日、あり得ない失敗をした。
"パーフェクト・ヒップ"ことBさんと、
見間違えたのだ。
この二人は共にボリューミーでありながら小・中・大の臀筋が実にほどよく引き締まっており、
大きさの割にはキュンと引き締まった、それでいて筋肉質にはならずに魅惑の丸みを帯びている、甲乙つけがたい見事な至宝なのである。
見間違った原因はわかっている。
その俺の目の前に飛び込んできた、見事なケツ。
いつもなら余念のない鑑定にはいるところであるが、俺はこのとき急いでいた。
ところが、Bさんにはあるはずの"ケツの割れ目付近の深い食い込み"が、若干浅かったのだ。
見事なケツの二人を見極めるにあたり、食い込み加減は最重点項目であったのに…。
自分の未熟ぶりを恥じた。
物事を粗野にしてはならない。
そう気づけた、良い一日であった。