2021-10-22

かつて脳みそが溶けるような恋愛をしていた。自己陶酔はこの世のものと思えないぐらい気持ちよい。そのまま恋愛に溺れてまた誰かと結婚して子供を何人も作って母親として人生を終えたかった。

が、いかんせんアラサーバツイチ。年齢も年齢なので仕事管理する側になりつつあり、サボれなくなってきた。仕事に頭を突っ込まなくてはいけない。抵抗していたのだが状況が許さず、そのうち思考が雄になって、いつのまにか心も雄になりつつある。男の人はみんな財を成し家族を養うためにこんな努力をしてきたのか、これは勝てない…と思いながら日々仕事をしている。できれば雌として生きていきたかった。男女平等とは雌を殺すことだなと感じる。

あんなに好きだった恋愛の歌やら映画やら小説やらに、少しも共感できなくなってしまった。誰かに会いたくて脳みその裏がヒリヒリする感じ、誰かと想いが重なってくすぐったく恥ずかしい感じ、どこを探しても出会えない。愛した人には別に好きな人がいて、私は孤独でひとりよがって寂しくなり自己陶酔している、あの感覚。どこを探してもない。

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