2021-05-29

未亡人転生[0001]~プロローグ

 あれ? ここはどこ?

 子供たちが独立して、パパが亡くなって……

 そっか……あたし……死んじゃったんだ……

 ふわふわしたところで神様っぽい人から説明を受けてたような気がするけど、あたし自身ふわふわしてたから何も覚えていない。

 気が付いたら、なーろっぱ風の街並みの中にいた。

 部屋着姿なのが恥ずかしい。

「あのーちょっとお聞きしたいんですけど……」

 まず日本語が通じるかどうかの確認

 娘たちと一緒に見たアニメ暇つぶしに読んでいた漫画とかでなんとなく異世界セオリーはわかってる。ほんとになんとなくだけど。

 こういう時は果物やさんっぽいおじさんが優しい。

「ひょっとしてお貴族様ですか?」

「え? 貴族? 違いますけど」

 そう、あたしは平民の平凡な主婦未亡人)だ。

「そーかい。変わった服着てるからてっきり変わり者の貴族が来たのかと思ったぜ。で、なんだ? 聞きたい事って。客じゃねーのか?」

「出来たら、そこの美味しそうな果物を幾つか頂きたいところですけど、多分お金がないんですよね」

「財布を忘れたのか?」

「ええまあ(現実世界に忘れたというか、神様から貰い忘れたというか。神様お金くれたのかどうかはわからないけど)」

「で?」

「ええと、お聞きしてよろしいでしょうか?」

「ああ、多少はな」

 やっぱり親切な方でした。顔は怖いけど。

「あの、お金もないので宿も取れないのですけど、こういう時ってどうしたらいいんでしょうか?」

「もんなし、やどなしか。要は仕事が欲しいってことだろ?」

「まあ、そうなりますね」

「そこをまっすぐ行って(中略)ギルドがある。ねえちゃんでもなにがしか仕事はあると思うぜ」

ありがとうございます

 お礼を言って、ギルドに行くことにした。

 親切なお兄さん(ひょっとしたら年下)は、「これやるよ。どうせ売れ残る」とぶっきらぼう果物ひとつくださりました。

 ということでギルドに向かうことにしましょう。

  • anond:20210529175725 ギルドに着きました。 元々そんなに人が居ないのか、時間帯のせいなのか、すいていたので、受け付けカウンターのようなところへ行く。 受け付けの女の子がちょっと...

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