卒業アルバムとか、大量の写真、日記とかを持って家に戻ったものの、これが結構な量である。
中でもでかいのがこどもの日に飾る兜。おしいれにもはいらず、部屋の真ん中に鎮座。
正直めちゃくちゃ邪魔で、移動や掃除を阻害する。こどももいないので役にも立たない。
倉庫に入れたりするにも高温多湿な場所では劣化するらしい。中々の高級品だ。
でも、これ、4年前に死んだお婆ちゃんが買ってくれた代物なのだ。
故人でなくとも、俺はお婆ちゃんのことが大好きだったし、捨てるのは忍びない。
でも邪魔だ。
兜じゃなくても卒業アルバムとかも、生きているうちで絶対に増えてしまうけど捨てるわけにいかないものあるよねえ。
「え?捨てれば?」「捨てたけど」
俺は結構ショックを受けた。
え、ホラ、でもお婆ちゃんの形見でさあ……とか言っても皆にえきらない態度で、「でもいらないじゃん」って。
この間ももうサブスクで聴けるからいいや、と産まれてはじめて買ったスピッツのアルバムを捨てた。
だから異様に思い出に執着してなんでもかんでも取っとく気はないんだけど、
でも卒業アルバムとか、大事な人に貰ったものって、代替品が無いし、皆そこまで簡単に捨てられちゃうもんなのか!?とびっくりした。
もちろん俺の部屋の真ん中には兜が鎮座し続けて居て、綺麗な部屋を求めるには捨てる以外選択肢がないんだけど、
そんなにすぐに割り切れないんだよな……となんだか悲しい気持ちになっている。
煮えきらないのは君の方だ