2020-06-29

嫌悪感を覚える人が多いのは承知で書く。

30歳 一人暮らし 女。幼少から爪を噛む癖があった。

いつから始まったのかわからないけれど、人生の中で爪が指先から出ていた記憶はない。

どの指の爪も横幅より縦幅が短く、かろうじて薬指と小指の爪が正方形になるくらい。

想像すると普通に気持ち悪いと思う。

過去に爪噛みをやめるよう試みたことは何度もあった。自分意志には限界があるので、苦味のあるネイルを塗ったりしていたが結局やめられなかった。

人前ではやたら拳を作って爪を隠していたし、インスタに上げる写真には爪が写り込まないように最新の注意を払い、タピオカは不自然な持ち方になっていた。

そんな30年だったが、昨今の外出自粛を期にふとネイルを塗ってみることにした。

今まではネイルを塗っても短い爪が余計目立つだけだったから、絶対に人前ではできなかったことだ。

埋もれた爪にネイルを塗るのはとても難しくどうしても指の皮膚についてしまう。

除光液片手に何度も格闘し、やっと塗り終えたが先っぽはガタガタだし全然綺麗じゃなかった。

それでも色の着いた爪は特別感覚があった。

そうやって何度か塗り直しては、イライラして暗い部屋の中噛んでしまい翌朝後悔したりを繰り返して3ヶ月が過ぎたいま。

深爪の時には知らなかったことがいっぱいだ。

タイピングすると爪が当たるようになって打ち間違いが増えた

・道具を使わずシールを剥がせる

ペットボトルのラベルも剥がせる

・爪を立てずにシャンプーは難しい

・痒いところをちょこっと搔くと傷だらけになった

スマホの画面って指だけじゃなく爪でも反応する

・物に爪が引っかかると剥がれないかすごく怖い

いまはまだ指の先まで届いていない爪もあるし、まだ無意識に噛んでたりするときもあるけれど、爪のある生活が楽しくてしょうがない。

たまに便利でたまに鬱陶しくて、自分の物なのにまだ使いこなせていない感じ。

身体に新しい同居人がいるみたいで嬉しい。

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