興味を持つのは決して悪いことではない。
しかし、冷静に考えてみなさい。あなたは、それについて何を知っていて、何を知らないのか理解できているか?
IUT理論は、数論幾何(数学の中でもとりわけ抽象的で難解な分野)の専門家でも、理解するのが難しい理論だ。
多分、あなたはそれに関して知っていることは何もない。つまり、何か具体的な手がかりを元に興味を持ったのではなく、ただ単に話題に便乗しているだけなのだ。
たとえば、「双曲的代数曲線はその数論的基本群により決定される」という記述が、数学的に何を意味しているのか、理解できているだろうか?理解できていないなら、もっと基礎的なことを勉強するのが先だ。
世の中、物事の内容を理解せずに、そのものを知った気になる人が多すぎる。
たとえば、テレビや新聞で核兵器について云々している人たちの9割9部は、軍事の体系的な知識を持っていない。なぜ核兵器を論ずるのかと言えば、単に話題になるからだ。
公務員の削減を主張している人のほとんどは、行政や産業に関する具体的な知識を持っていない。なぜ公務員の削減を主張するのかと言えば、単に話題になるからだ。