なぜならあり得ないほどバトルが下手だから。
しかもただ下手というレベルじゃなくて、明らかにバトル漫画を「読んできていない」のだ。
普段の作画が整っているからわかりやすいが、バトルシーンは信じられないほどクオリティが落ちる。
平面的で動きを分解しただけの単調な絵が並び続け、バトル漫画の躍動感がまるでない。
毎回1ページ丸ごと必殺技に使って、あんなショボい絵しか書けない漫画は初めて読んだ。
バトルものに親しんだ人間ならこうはならないという作画なのだ。
絵作りだけではなく、なぜ戦うのか、この状況ではどうするべきかという「バトル漫画的なドラマ」への興味のなさも露骨だ。
戦闘中のシリアスな状況が進行中なのにも関わらず、それをぶち壊すような男キャラの可愛さアピールをウダウダと何ページも引き伸ばしたり、
長い間習得できなかった修行のヒントをもらった次のコマで、なぜか修行しないでまたキャラの可愛さをアピールしていたり、
反対に、作者はバトル漫画の二次創作(もっと言えばBL)には絶大な興味を持って消費してきたのがすごくよくわかる作風である。