実家の犬が死んだ
電話越しで父が泣いた
代わった母も泣いた
電話を切った帰り道で
17年前に家に来た日を思い出した
生まれたばかりで鼻がまだ低い犬
祖父が亡くなって1年ちょっとの日
知り合いから引き取りたい父に反対する家族
面倒見るという意地が
本当の愛情に変わったと知るそれからの日
父の最愛の友人
名付けたのは私
ドラマの登場人物からとった
赤い野菜の可愛い名前
当時の好きな人に初めてメールした日に
首輪を外して逃げた犬
家に帰ってその人にも死を伝えた
子供たちにはまだ伝えていない
受験生のときに煮詰まれば
いっしょに田んぼを歩き回った
たまの帰省時には吠えられたけど
この数年はおとなしかった
私たち兄弟は大学進学で家を出た
祖母や父にとってあの子はずっと家族だった
思春期がない分だけ
いっしょに過ごした時間は私たちより長い
父の一服に付き合うのはあの子だった
年末に帰省する
あの子はもういない
夏に帰省したときに
ありがとうを伝えなければならなかった
もう心で思うしかできないけど
本当にこれまでありがとう
Permalink | 記事への反応(2) | 19:34
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ご冥福をお祈りします、これからも一緒に過ごした思い出を大切にしてね
動物が死ぬ話はつらいからマジやめてくれ